■ 一家の主並みの精神力。
「花子、りもこんがないのだが」
…、馴染みすぎだろ。
買い物には付いてくるし、する事なす事全て見ている。ほんと家事、いや生活がしにくいこの上ない。
「さっき机の下で見ましたよ」
ここで生活する以上、あの赤い羽根と顔に付けてるなんともグロテスクな鳥の足やもろもろは没収、というか脱がせた。
外に行く時にも普通にその姿で付いて来たんだもの。
じろりと見ても、何だ行かないのか?って…ワザとじゃあないのかって感じですよ。
「その格好似合ってますね」
「我に似合わぬものが存在すると思うか?」
着ているのは、前に急いで買いに行った男物の服。胸元にチキンラーメンのヒヨコのマークの赤いTシャツ。そして、黒いジャージのズボン。
よくやった、わたし。
しかし、顔はイケメンなのに服装が死ぬほど残念な人をあまり連れて歩いて誤解されてもなんだから背丈が同じくらいの男友達にいらない服を貰おうと思う。
「今日の夕飯は焼き魚でいーですかね」
「認めぬ、かれーかおむらいす。どちらか選ばせてやろう」
くそー、早く帰ってくんないかなぁ。
「……じゃあカレーで」
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