■ 会話がピンクで頭痛い。
あの後、リビングのゴミ箱には血が付着した大量のテイッシュが捨ててあった。
机には"おやすみなさい"と達筆な文字で書かれたメモ書きが残されており白兵くんはいなかった。
「あら、若いわねえ」
「うん、まだ二十歳なんですよ」
だから手加減して下さいねと言えばどうかなと肩を竦ませられる。白兵くんご愁傷さまです。
「でも手は出しちゃダメですからね」
「大丈夫さ、坊やに興味はないよ。ヤキモチかい?可愛いねぇほんと」
や、ヤキモチ?私が?ま、まさか!とは言ってみたけれど図星だ。そこまで分かりやすいのかと顔に熱が集まった。肩をガツンと組まれプニプニと頬をつつかれ面白がられている。うう、止めて下さい…。
確かに白兵くんと好き合ってまだ間もないけれど思春期に戻った時のような自分の初心な感情に時々ほんと自分でもびっくりさせられる。
「んで、どこまでヤッてるんだい?」
「…………」
シラーっとした目で見ても好奇心旺盛なこの人は気にしない、というか聞けるところまでほじくり出してやろうという威勢すら聞こえて来そうな気がする。
やるって、絶対そっちのことですよね。
迷彩さん来てから少し会話が大人ちっくなんですけど大丈夫なんですかね。
私は頭を抑えながら息を吐いた。
今日はあまり寝れなさそうだ。
(まだ、なにも)
(あらま、じゃあこれからが色々と楽しみになるわね)
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