■ サイズが少し。



「とりあえずあの人達どうにかしてくれませんかね?」


私はちょいちょいと蟷螂さんの袖を引く。蝶蝶さんは現代の物に超食いついてはわちゃわちゃ漁っているし、その背に着いて回る蜜蜂くんも駄目ですよーと言いながらもワクワクした表情をチラチラ見せるあたり止める気もなさそうだ。
蟷螂さんにそう言えば、あ…ああっと言いながらも蝶蝶さんを引きずり大人しくさせてくれる。やはり虫組は蟷螂さんあってのものなのだろう。まとめ役と言うかなんと言うか。いや、三人いるからこその虫組なのだ、あ、またなんか泣けてきた。

「恩にきます」

「別に気にするな」

とりあえず、あの人達を黙らせてくれた蟷螂さんにお礼を告げ話を切り出す事にした。

「あのですね、服を着替えません?」

話をする、と言ってもこの世界の事情を離してもとの世界に戻れるまでこの世界のルールで生活して貰わねばならない訳でとりあえず服装からと言う話から入った。

「服…ですか?」

「そう、蜜蜂くん。この世界は貴方達が居た頃よりもだいぶ進んだ未来!(って事にしてある)だから服装も髪型も景色も全然違うのよ!」

「だ、だよな!だよな!うわー、ワクワクするぜ!」

座りながらソワソワしている蝶蝶さんをチラリと見て萌えました。ごめんなさい。
でもね、今、頭の中で整理して居たんだけどね。蝶蝶さんの背丈の服あるかな?うん、ないね絶対。だってさ、貰った服さ、モデル体系の服ばかりなんだもの。笑

「なっ、何を冷めた目で見てんだよっ!花子殿っ!」

「とりあえず服持ってきますね」

場を誤魔化す為にキャピッとしてみたがどうだろう?とりあえず去り際にみた蟷螂さんは首を傾げていたから年齢的にアウトだったのだろう。はぁ…

「ーっと…服、服」

鳳凰さんや左右田さんが以前着ていた服の中から背の高い二人に似合いそうな物を選ぶ。
蝶蝶さんは…とりあえずこれを着て貰って買いに行こう。外を出て歩くなら一緒にいた方がいいし皆を連れて外に行くには良い機会だよ。

リビングに戻ればまた蝶蝶さんと蜜蜂くんがテレビの前で奇声を発していた。

うん、もう慣れてる。

「はーい、蟷螂さんこれ。蜜蜂くん、蝶蝶さんね!」

とりあえず各自に渡しリビングを出て彼等を待つ事数分。こ、これで良いのだろうかと扉を開けた蟷螂さんに続き中に入る。
ピカーっと光るように着こなす二人に拍手を送りたい。ありがとうございます。

「なっ!なんで俺だけ真っ黒なんだよっ!」

うおおおお!と裾をバッサバッサしている蝶蝶さんの服装は私のジャージ。それでもズボンの裾が余る彼の足元へ行きクルクルまくっていく。袖もクルクル。

その時の赤い顔ったらたまらない。

「蝶蝶さん可愛いです」

「てめ、蜜蜂殺すぞ」

「す、すまん蝶蝶…ぶふー」

「か、蟷螂殿まで!花子殿っ!!」


蟷螂さんまで噴いてしまった。子供扱いされているのがおかしかったのだろう。私は蝶蝶さんに向かい親指を突き出した。

「大丈夫です、彼等のは着崩れた中古ですが蝶蝶さんにはとっっても格好良い服を買ってあげますからっ!」

「え?…ま、まぁそれなら」



(さぁ、皆さん出掛けますよっ)


(comment*☆.)


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