■ 会いたかったけども。
さて…と、この状況を白兵くんにどう説明しよう。ドアを開けたら真ん中で片膝付いてVのポーズ蝶蝶さん、左に壁方向に手を伸ばしてポーズをとる蜜蜂くん、そして照れながらもきっと真ん中にいる人に強要されたのだろう蟷螂さんが蜜蜂くんと真逆にポーズをとっていた。
説明しにくいだろうがっ…
「あ…あのう」
「っはー!反応うっすー!!」
「蝶蝶さんっ、想像してたものとは違いましたね、残念です」
え、何で初対面で残念がられなきゃいけないの。ていうか蟷螂さんの頑張りどうしよう、俯いてプルプル震えてるしこの二人は置いといてやってくれた蟷螂さんの為に派手なリアクションで驚けばよかっただろうか。
「う、うわー!誰ですかあー!」
シラーっとした空気に恥ずかしくなる、やめいやめいと手を前に出した蝶蝶さんに導かれるようにリビングに入りカーペットに座りお茶を…って、おい!!
ここ私の家だよね、家主だよね?
「てゆーか…君達、驚かないの?」
そう言えば虫組が顔を見合わせて笑う。
「分かってる分かってる!皆迄言うな!花子殿だな」
「え!…あー…そっか」
最初は何で?と思ったけれど良く考えれば真庭忍軍の頭領と人鳥君がここに居て無事に帰ったのだ。話していてもおかしくない。
「おっ、意外と花子殿は賢いぞ!」
「鳳凰さんから聞いていた情報とは少し違いますが」
え、何その情報すごい気になるんだけど。きっとこの状況下でのものだから誉められた内容ではないようだ。
なに意外って、泣きそう何ですけど。
蝶蝶さんと蜜蜂くん帰れよ、もう。蝶蝶さんとかもうあっちの世界でイチャイチャしてろ鴛鴦さんと。
「先程からすまない」
横から声がしたと思い向けば申し訳なさそうにこめかみを掻く蟷螂さんが居て。
軽く涙が零れた。
(な、なんだ、何故泣く!)
(いやもう最近涙腺が緩くて)
(あー花子殿ももう若くないもんなあ)
(それは言い過ぎですよっ、ぼ、僕は丁度良い年頃かとっ…)
(お?なんだ蜜蜂ーまさか花子殿に…)
(ち、違いますっ!歳頃の女性にそんなこと可哀想じゃないですか!)
(そろそろ黙れよ、てめえ等)
(本当にすまない…)
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