■ 覗き見厳禁。
逆トリップにおいて1番のイベント「お風呂」がついにきた。
どうしよう、切り出さないとと挙動不審になっていると声を掛けられて変な声を出してしまった。
「す、すまぬ。何度も声を掛けたのだが」
申し訳なさそうに眉尻を下げる。どうしたんだろう?
「今一度お主の話が聞きたい」
やっと考えが纏まってきたのだろう『ここはですね、見ての通りあなたがいた時代ではありません。こう言うカラクリ見たことありますか、ないですよね。ここはあなたのいた時代よりだいぶ進んだ未来です!』と言われて「はいそうですか」なんて順応できる人なんているわけないだろう。でも私、嘘ついた。本やアニメの世界から、なんてもっとややこしくなると思ったから。
なんとかなるっしょ。
「じゃあ、気が済むまで話しましょう」
こくりと頷き二人で腰かけ話合った結果、帰れるまで此処にいること。好き勝手に外に出ないこと。なるべく食事は一緒にとることを約束させた。
「何かできる事があれば手伝うでござる」
「じゃあ、毎日洗濯物を取り込んで畳んでくれたら嬉しいけど」
「承知致した」
来た時から思っていたけど、この人だいぶ侍だわ。もう言葉とか凄い。萌えるわー。そろそろ切り出すか。
「じゃあ、家の中いろいろ案内しますんで」
ついて来て下さいと歩き出す、玄関、トイレの使い方、洗面台の使い方、レンジの使い方。
だいぶ時間をくってしまった。もうトイレの説明だけでだいぶ、水を流した時のあの驚愕の顔とか一生ものだ。絶対忘れない。
「それでですね、ここがお風呂です」
ぱかぁっと開いた先のお風呂を指差す、毎日湯船はいれておきますので入って下さい。タオルと着るものも用意しますから。
その瞬間、蛇口を捻った白兵さんがうわぁぁと声を荒げたのでそのまま、入ってもらう事にした。
タオルと着るものを用意した、この先に白兵さんが逸し報わぬ姿でシャワーを浴びてるんだよな、堪らん。
落ちつけ私、男の裸に飢えている訳じゃないだろう、先日まで彼氏が居たのだから。月とスッポンの差だが。
このガラス何で透けて見えないんだと思っていたら音が止みガチャリとドアが開いた。
ひらいた…だと?
「花子殿、髪を洗うしゃんぷーとやらはこれで良かったのか?」
ご馳走様でしたぁぁ!!!!
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