■ 晴らしましょう。
はふーはふー。
あったかいカフェオレがうまい時期になってきたな。ちらちらと個々に自分の事に勤しむ彼等を目にやる。この人たちが来てもうそんなに立つのかとしみじみ思う。いつか、きっとわたしはまた一人になってしまうんだろう。
ま、良い歳こいて寂しいとか言わないけど、きっと寂しい。
リモコンを起きキッチンに向かう、冷蔵庫からアイスを取り出す。いつ食べても美味しいよね、アイス。わたしの他に三人も男が暮らしているので節約の為スーパーカップなのだが。
「我にもくれ」
これもいつも通り、だから普段私は二個とりだしている。
白兵くんと左右田さんは読書。
チクタクと珍しく静かに流れる時間に何か寂しさを感じた。なぜだろう。
「ねえねえ!みんな今日はさこれ、やろうよ!ババ抜き!!」
突然の思いつきに皆が"は?"って顔をしているがやるぞ、わたしは皆でババ抜きがしたいんだ。勝手に机の上にカードを配り始めれば白兵くんから机に集まり始める。
なんだかんだで皆、優しいんだよな。
「ってコラコラ、アイスを食べるのやめなさいよ」
見れば鳳凰さんはまだアイスを食べている。ちびちびすくっては口に入れているせいか三分の一も残っているじゃないか。皆はもう数字があっているカードを捨てているのにまったく。
「早くするでござる、鳳凰殿」
「わたしも読書をしたいのだが戻っても良いか」
「ちょっ!みんなでババ抜きしたいんだからこれ没収…(ぎゃ)!」
皆でしたいとか口に出してたあああ、最上級に恥ずかしい。カップを持った手が少し震えた。冷凍庫にそれを突っ込み帰ってくれば白兵くんにはニコリと微笑まれ左右田さんは無表情だがカードを構え鳳凰さんはムスッとしているが、皆わたしが言った事をいじろうとしない。
「さあ、ババ抜きの始まりでござる!」
張り切り声を出した白兵くんはさあジャンケンをと仕切り出した。あ、負けた。左右田さん、白兵くん、鳳凰さん、私の順番か。
「ははん、負ける気がしないわね」
その時、すっと天井に向けて手が伸びる。
「どうしたんですか左右田さん」
「普通にやってはスリルもクソもないだろう。最後ババが残った敗者はその他三人のいう事を聞く、っていうのはどうだ」
ふむ、面白そうだ。三人分って言うのは少し重いが私が負けなければ良い話だ。
四人の心が今ひとつになる。
((((受けて立とう…))))
[
prev /
next ]