■ 仮面の下を妄想する私。
こんにちは、あの錆さんはどうしてしまったんですか?明らかにふっきれましたよ拙者。的な感じは、私ちょっと仕事終わりの身体で毎日心臓をやられてはもたないんですが。
今日はお休みだから、ゆっくりさせて貰おうかな。
冷蔵庫をあけ冷茶をコップに入れる、なんだか静かだな。リビングには左右田さんがソファーに座り読書をしている。
「あの、白兵くんと鳳凰さんは?」
「錆殿は散歩、鳳凰殿は知らないが」
そ、そうですか。という事は今は左右田さんと二人って事ですか。え?マジで、初めてのこの状況下にドギマギしている私は冷茶をゴクゴク飲み干していた。
「下心がただ漏れだが」
「ぎゃ!」
「嘘だ」
喉で笑われた。くそ、私、二人だからってドキドキするようなそんな若くないんだからな、むしろ機から見たらいい歳でまだ結婚しないのかってよく聞かれるんだからな。
読書をまた始めた左右田さん。もう一杯飲もうと腰を上げれば見える仮面の隙間。うわ、これ覗き込んだらみれんじゃね?
「お茶おかわりしようかなー」
少し見えるー!!!
横に回ってみたら少し見えたよ。これもうなんかお願いしたら取ってくれたりして?
もしや、もしやだが仮面の下ってあるんじゃないか。鳳凰さんに取られたとかじゃなくなってる?だってここでの初対面神様のイタズラ設定で普通に顔合わせてたしね。もしやただの傷だけとか?うわーうわー見たい、想像だと鳳凰さんなんだろうけど見たい。
「不見、何やら勘ぐっているようだが仮面は姫様がくれたもの。決して取らないぞ」
「左右田さんて私の考えてる事、何でも分かっちゃうんですね。」
も、もしかして私の事だなんて頬を抑えたら馬鹿かと一言だけ発して読書を再開させてしまった。
うわ、これがアウトオブ眼中って奴か。
「左右田さん格好良いですね」
背高いですよね、左右田さんタイプです、筋肉意外にあるんですね、明日から一緒に寝ませんか、だなんて私にとっての殺し文句をスラスラと吐いてみたが読書から顔を上げず煩いと言われるばかりだった。
つまんない。
私はずっと会いたいと思って待っていたのにやはり姫様一筋なのか阿呆仮面。
「知りたいか俺達が初めて会った時の事を」
いきなり顔を上げたと思ったらこれだ。そんなの知りたくな…知りたいっ。知りたいに決まってるじゃないですか、あれだけなんか内緒にしてたのにすんなり教えてくれるんですね。
「まずわたしは風呂場に現れそこに泥酔した花子殿が現れた。もう一度言う。泥酔した、だ」
泥酔した。
そうであろう、そうであろうな。わたし記憶無かったもの。
「それでそれで」
「まあ落ち着け、そして顔を近づけるな気色悪い」
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