■ 嬉しさの余り足ガクガク。
おいおいおいおい。
あたしは寝てる間に何をしちまったんだてばよ。
震える身体で顔を覗き込めば息が止まる。
「こ…これは…」
か、神様…ありがとうございますうう…。私はその場にうずくまり喜び神様に感謝を述べた。
もう一度その顔を覗き込む。
「ひゃー…」
「誰だその男は」
びくっ、いきなり後ろから話し掛けられ心臓が止まりそうになる。
何だよ、鳳凰さんか。
しかしこの人の顔とか色々取ったの鳳凰さんではないのか?え、ヤバくね。水に流してくれたりすんのかな、絶対ないよね。
「こいつは…否定姫の腹心。此奴も飛ばされて来たと言う事か」
おっと、なんか普通なんですけど…。
「え?他になんかない?別に顔合わせても大丈夫な訳?」
そう聞けばただ首を傾げられる。何だこの、都合が悪い事は無い事にしてくれる設定は。神様色々やらかしてるぞ。良い意味で。
「そういえば白兵くんは…まだ寝てるね」
うーん…昨日の事、途中からすっぽり抜けてんだよねぇと笑えば鳳凰さんもこの男が来た事は知らぬなと言っている。
「起こしてみますか」
ちょっと声を可愛らしくしておはようございまーすと肩を揺すれば、ううんと唸りをあげて腰をあげるその方に胸をきゅんとさせる。
「ああ、おはよう」
ぎゃー!!わ、私に向かっておはようだって!鳳凰さん聞いた!?鳳凰さん、え?おはよう?
その言葉に目を点にする。
「お主は阿呆か。何故此奴は普通に花子と接しておるのか疑問に思わなかったのか?」
じろりと鳳凰さんがその方を睨めば、馬鹿にしたような微笑みを浮かべる。
「ぎゃああああ」
「黙れ、何をそんなに興奮している」
さらに、不機嫌な鳳凰さんはずるずると私をその方から離して行く。嫌だ嫌だとジタバタするがその尋常ならざる握力を前にしたらどうにもならない。
「改めて世話になる。くくくっ、昨日の歓迎ぶりには驚いたがそれを覚えていないとはな」
「え!?…それ、教えて下さい」
「不言、何故なら今全てを教えたら面白くないだろう?」
いわずー!!言わず来たああ!!もう声やばいよ、声。私のずうっと会いたかった人、左右田右衛門左衛門さん。
「いらっしゃいませ」
[
prev /
next ]