■ 私、赤ら顔。




うはー、いい匂いしたー意外に筋肉質だったなーぎゅって、おーい、ぎゅってされたよ。はふーと桃色の溜め息を吐きココアを飲みながら女子高生みたいな思考を巡らしている。

それは先日の休みの時の事であった。
ストーカーをフルボッコにしてくれた白兵くんは私をぎゅーって、ぎゅーって、ぎゃああああ!!


「気色悪いぞ貴様、それと机をばんばん叩くな壊れるだろうが」

「はーい」

あーあ、気分が削がれた。私はココアを口にいれる。鳳凰さんは私に何があったのかとしつこく聞いてくるが私は教えなかった、何故なら教えたら更にしつこく話を穿られるだろうし馬鹿にされるのもヤダ。
きっと、さっきみたいな顔で"自分の身すら護れぬとはなあ、腹がよじれて千切れてしまうわ"なんて笑いながら言うんだきっと。


「まぁ良い。人鳥が何処へ行ったか知らぬか?」

「あー、白兵くんと歯磨きしにいったけど?」


そうかと鳳凰さんはお風呂場の方へ体の向きを変え歩き出す。しかし、ピタリと止まった足に私は首を傾げどうしたのと尋ねた。

「お主、我を誤解してはおらぬか?」

誤解?してない、と思う。自分では。
鳳凰さんのそのまんまを私は見ている訳だし、そんな事はない…と思う。

「我は常にお主を心…」

その時風呂場の方から白兵くんの叫び声が響いてきた。その声に驚き二人して声の方に顔をやり、私は直ぐに腰を上げ走り、脱衣所のドアを開けた。


そこには尻餅を付く白兵くんがいて、私は目をぱちくりさせる。

「は、白兵くん?」

「……人鳥と一緒に居たのではないのか」

そうだ、白兵くんは人鳥くんを連れて歯磨きへ行っていた。ここには人鳥くんの姿はない。もしかしてと白兵くんを見るとこくりと頷いた。自分の時のように光に吸い込まれていったのだと。弟の様に可愛がっていた人鳥くんがいなくなり寂しいのだろう伏せられた目に鼻がツンとした。やば、涙落ちそう…

「そうか、帰ったか。ついでにお主も帰れば良かったのだがな」

「なんだと貴様っ!」


あーあ、何でこういうしんみりした時にそういう事言っちゃうのかねこの人は。
まぁまぁと白兵くんを止める私、ん?この行動、恒例になっている気がする。落ち着いた二人をリビングに連れて行く、お茶を出せば黙ってTVを見つめる二人。


「ねぇ?仲良くしなよ、二人ともさ」




「無理な話だな、我と此奴は既に敵同士、仲良くする姿など到底浮かばんな」

「拙者も同じだ、たとえ花子殿の頼みであっても聞き入れられぬでござる。申し訳ない…」

もぉ、と溜め息を吐きながらも私は二人の間に座る。

「私は二人の事が好きだよ、なんだかんだで鳳凰さんの事もね。だから…仲良くしよう!」

そして、私は背中からこいつを取り出す。どでかいこのとっておきの酒瓶を。こいつは度数も高ければザルすらも酔わせる酒豪殺しだ。強そうなこいつ等を酔わせて仲良くさせよう作戦、決行だ!!

鳳凰さんは強そうだけど、白兵くん大丈夫かなぁ…。

(comment*☆.)


[ prev / next ]
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -