■ この家で最強。
この人達がうちのアパートに出てくる仕組みってどうなってるんだろうな。
何度も考えた事はあったけれど、結局のところ何も分からなかったんだよね。はーあ、刀語と言えばさ、あの人でしょ。何故出てきてくれないかねえ。
あ、出てくるなら私が一人でいる時のが都合いいんだけどなぁ。
え?何を考えてるかってそりゃもう大人ですからね、あんな事やこんな事になればなんて妄想は膨らむばかりで…
「どうした花子、何か悩み事か?我に話してみよ、軽くなるかもしれぬぞ」
「うん、最近妙に優しい鳳凰さんが何を考えているかが気になるよ」
どーせ裏があるんでしょーとポテトチップスの袋を開けながら言う私の腕を握る、その手を握る?
「え、白兵くんもどーしちゃったの?」
ポテトチップス食べたいなら皆でとチラシの上に広げると黙々と睨み合いながら食べる二人。うわー、ほんと仲悪いなこの二人わ。仲介を呼んで来ますかね。
私は人鳥くんを呼びに行く。
TWO PIECEを読んでいる所悪いね。人鳥くんもやはり心は子供の用で海賊物語をこよなく愛しているようだ。一気に三十巻まで読んじゃって、もう。
「ごめんね、あっちでいがみ合ってる二人の間に入ってオヤツ食べてくれませんかね」
「まっ、任せて下さい、僕も男ですからっ」
うん、最近その主人公の真似をしたりだんだん性格も強くなってきたんだよなあ。しかしこのアセアセした返答が本当可愛い。
「うん、頼むね」
「先程、花子殿に何を言おうとしたでござるか」
「さぁな、知ってどうするつもりだ?」
ばちばちばちばち、遠目でも火花の音が聞こえそうな程ににらみ合ってるんですけど。
いや、今日はあの人鳥くんだって入れない…いや!すんなり入ったあああ!!
「鳳凰さまっ、空島はあると思いますか!?」
純粋、なんて純粋な子なの…私は漫画を片付けながら胸打たれ遠くでその光景を見守る。
「空島…在るに決まっておるだろうが、現にルフィ達が行って証明しているではないか」
そんな純粋キャラでしたっけ、アナタ。
しかも既に人鳥くん以上に読んでるし…。
白兵くんも真っ白です、いや元から真っ白だっけ。
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