■ 異様な食卓。
とりあえずいがみ合ってないでさ、手を合わせて下さい。頂きまーす。
睨み合いながらもご飯を食べ始める二人に戸惑いながらも笑顔で頬にご飯を詰める人鳥くん。多いな、人。
「美味しい、白兵くん」
久しぶりだからね、頑張って作ったよーと言えば頬を染めてこくこくと頷く白兵くんが可愛くてしょうがない。
「なんだそのだらしの無い顔は」
「うるさい、黙って食え」
押し黙って黙々とご飯を食べる鳳凰さん、そろそろお茶がなくなったので注ぎ足してやる。
「そうか、昨日てれびで見たぞ。それが今流行りのツンデレか」
「はいはい」
はぁ、どーにかなんないかなこの人。ほんと白兵くんと人鳥くんいれば良いから帰って欲しいわマジで。最近は近所のおばさんとも仲良くやっているらしいし、知らぬ間に私の彼氏という設定にもなっていた。くそ、こんな奴、顔だけじゃないか。
「花子殿、何故此奴は花子殿と親しい口を聞いているのでござるか、拙者は納得がいかぬ」
フォークを握りしめ、口を紡ぐ白兵くん。そうか、時間軸が違うから白兵くんはあれから数日しか経っていないのね。
「ほっといて良いよ。頭おかしいのこの人。後ね、人鳥くんが言うにここでの一ヶ月は向こうで一日らしいよ」
「なんと…それは誠でござるか、では」
考えを巡らす白兵くん、そうだよ貴方が消えてからもう三ヶ月以上。あちらでは三日。
「我は三月もの間、花子と共に過ごしておるぞ」
ちょっと…ややこしくなるだろうが。
私は何もないからとそれに付け足した、あれ?なんでわざわざ訂正したんだろう。
酷く驚いた顔をする白兵くんにそんなに衝撃的?と笑ってしまったがそのまま固まって動かない。何やら俯いてぶつぶつ同じ屋根の下やら三月もと聞こえてきたがどうすればいい?と他の二人を見る。人鳥くんは鳳凰さんを見ている。どうすればいい?
「くくく、放っておけ遅くれてきた思春期と言うやつだ」
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