■ 他言無用。
その日も人鳥くんと鳳凰さんと寝た。こんなシングルベットで良くやるなとはよく言ったもので。
朝になったら不機嫌な鳳凰さんが私の上に陣どっているのだ。
私は驚きはするものの人鳥くんを起こさないように声を出さずに蹴り飛ばす。
「まったく、じゃじゃ馬め。夜も狭くておちおち寝れんというのに」
「じゃ来ないで下さいよ」
私は起きて顔を洗いに行く。月曜日、仕事が始まり二人は私がいない時間何をして過ごすのだろうか。
まぁ、ゲームもあるし、鳳凰さんは一通り私の家の事は覚えている。任せても良いだろう。
ただ、昼御飯の準備を一人分ではなく二人に増えただけ。
帰りに人鳥くんの服も買って帰らなきゃなと歯を磨きながら思った。
しゃこしゃこしゃこ、
その頃、寝室。
「人鳥、お主起きておったな」
「わっ、すいません、あのバレていましたか?」
我を誰だと思っているのであろう。
じろりと睨めば更に謝る人鳥にはぁと溜め息を吐く。
「その、鳳凰様はやはり花子様の事が好きなのですね」
「……悪いか」
いえ、といかにも嬉しそうに頬を緩める人鳥に何故か我は頭をぐりぐりと撫ぜた。
「あわっあわっ鳳凰様!?」
「人鳥、何もしてくれるなよ」
え、でも…と戸惑っている人鳥を置いて部屋を出た。
今日の飯はなんだろうな。
良い匂いがする方へ。
[
prev /
next ]