■ 一人でお散歩。
「女が毎日仕事とは大変だな、我のいた世界ではあまり見かけん光景だ」
「私も早く主婦として誰かんとこへ永久就職したい所ですけどね」
「…花子、我の「あっ!もうこんな時間じゃないですか!行ってきます!」
行ってらっしゃーい、と玄関の壁にもたれ手を振る姿はシュールだ。鳳凰さん、顔だけは良いからなー。
〆
「さて、と。我は何をしようかな」
花子はいつも夕方まで帰って来ない、女に稼がせるとは余り気が乗らなかったがこの時代ではここで産まれた証明がないと働けないと言う。
りびんぐ、に来たもののする事がなくてれびや座って読書をするくらいだ。
そうだ!最近、花子からこの家の鍵を貰ったのであった。「人殺したり、問題は起こさないで下さいね」と言われた。うむ、今日は一人で外に出てみるとしよう。
「服…さすがに着替えるか」
買い物やら出掛ける時は必ずと言っていいほど着替えさせられる、我はこの赤いてぃーしゃつが気に入っておるのにだ。この胸元の黄色い鳥、実に可愛いじゃないか。何かを考えている時の花子の顔にそっくりで笑いが込み上げてくるわ。
「さてと、しょうがない」
前にこれとこれを着ておけばとりあえず大丈夫と言われた服に着替え、玄関を出て鍵を閉めた。
いつも行く道とは逆を行ってみるかな、くるまと言うカラクリが沢山行き交うこの町は不思議なものだらけだ。
「しょうてん…がい?」
大きな看板の先に進むと色々な店が軒を連ねていた。
魚、肉、野菜、果物、服、雑貨、ふむふむ沢山ある物だな。
「お兄さん、格好良いねえ!お使いかい?」
「いや買ってやりたいのは山々だが、あいにく金は持っていなくてな」
うっ、熟女がわらわらと集まって来たぞ。我は何もしておらぬぞ!問題を起こすなと言われていたのに、後で花子に怒られる。
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