封神台夏祭り。



きたきたきたー!

「聞仲様っ、聞仲様も参加して下さって私嬉しいです。ありがとうございます焼きそば買ってきましょうか?お酒呑みますか?」

今日は祭りだ皆、浴衣を着てわっしょいわっしょい。勿論、私も浴衣なのだがににに似合うだろうか、初めて着たものだから恥ずかしい。私と反対側にいる張圭が私と同じように聞仲様に媚びる。

「聞仲様の犬は私なんだよ」

「僕だって聞仲様へ何か買って差し上げたいんだ、りんご飴なんかどうですか?」

二人でふりふり尻尾を振っていればぴしゃりと一言「帰れ」と言われた。二人して地面に倒れこんで泣いていれば後ろから四聖がやって来ては、ちまっこいのが「やーいやーい」と笑っている。

高「なんだなんだ花子。せっかく浴衣を着てるのに汚れるぜ」

森「似合うぞ花子」

王「み、ミニ丈だと…可愛さに拍車がかかって」李「はいはい、聞仲様にフラれてやーんの」

うう、と立ち上がり見てみれば皆着物を着ている。そういえば張圭も。聞仲様しかみていなかったから気づかなかったけれどみんな男前じゃないか。はい、と高友乾が酒をくれた。そうそうこう暑い中ぐいっと冷たい酒を飲むのがいーんだよね、とぴとり王魔にくっつく。

王「む」

「「ちょっ!なんで王魔にくっつくんだよ!」」

張圭と高友乾がやいやい言うが知ったことか私は今日は王魔といるんだ。

「みんな着物似合ってて男前だけど、何故か王魔には敵わず」

何だよその言い方はー!とぷんぷん怒り出す李興覇にべーっと舌べろを出してやる。

「お前はそっから降りろっ」

せっかくのお祭りなんだから玉に乗ってんなと玉を蹴れば呆気なく地面にこんにちわして私を見上げる李興覇にきゅんってした。

「あ、今俺様にときめいただろ」

「するわけねぇじゃん、ばあか」

まぁ、確かにときめいたんだけど変態的な意味でだから爽やかに笑ってそう返せばりんご飴で頬を殴られた。くそ、ベタベタするじゃいか!

「陽森、このガキどうしてくれよう」

ふきふき頬を陽森に拭かれながらそう言えばまあまあとベビーカステラをくれたので許してやる事にした。形が可愛いじゃないか、カバくんにこれはあの変態ピエロの霊獣じゃないか、食べれない…鳥煙はいないのかな、自分ちの霊獣を探すがいなかった。さすが脇役っ、だけど私は鳥煙が大好きだよと涙ぐみながらもカバくんをたくさん食べた。

にしても、このお酒うまいな。

「飲みすぎるなよ」
「うっさい」

張圭に笑顔で言えば高友乾に泣きついていた。ふふ、なんか楽しいぞ。

「あ、そいや今日カラオケ大会もやるみたいだけど金鰲島からは誰か参加すんの?」

周りを見渡せばシーンと誰も反応せず、うん。だよね、と納得して手にある酒をぐいーっと呑み干した。

「では私は失礼するよ」

私は皆に背を向けるが何故だか王魔が私の腕を掴み首を横に振る。ゆらゆら視界が揺れて良い気分だ。

「大丈夫だよ王魔。私は負けないっ」

そう言って走り出せば皆の叫び声が聞こえて来たが私は止まらずに受け付けへ直行した。

受付には太公望の弟子とカバくんが居てまだまだ参加者が足りないといっている所だった。

「金鰲島からは私が出るよー」

そう言えばえええー!?と声を揃えて驚かれたものだかは頬を膨らましてやる。

「変態的な人っす」

「ああ、あの結構可愛いのに聞仲を気持ち悪い程敬愛しているで有名な花子さんだよ」

え、そんな風に見られてんのわたし。

酷く傷ついた私は受付の紙に自身の名前を書きなぐってやった。他の名前を見てみれば見知った名前の数々だ。あの太公望に黄飛虎、それに宝貝人間の開発者も参加するのか。
おおっ、金鰲島からはあの喜媚様も参加するじゃないか!ロリロリ可愛いんだろうなあと鼻の下を伸ばしていれば後ろから声を掛けられる。ここここの声は…

「やあ」
「ちち近寄るな変態っ」

やはりお前か、とさささッと距離を置けば楊ゼンが寂しいですねと笑う。爽やかに笑うが腹黒いそれ。

「花子も出るんですね。それにしても可愛いな浴衣姿」

それを無視してお酒を買いに行く私の後ろには勿論その男がいるわけで本当ついていない。

「うん、やはり髪の毛は結ってある方がうなじが見えてセクシーですよね」

ひとりで何を言っているのだろう。今すぐ殺してやりたいが勝てる筈がない私は何もできない。お、お前なんか王魔一人じゃ無理だけど四聖全員でかかったら多分…多分勝てるんだからなっ!と叫びたい気持ちになった。

「おじさん、お酒ひとつ」

「うほほープリンちゃんじゃねえか、あ?なんだ楊ゼンの女か残念」

「タダで貰えるの?え、タダだよね、慰謝料でむしろお金払って欲しいんだけど」

何故この男はそうですよ武王と言って金を払うのか、ムカついて全部呑み干して自分が用意した金をダンっと置きもう一杯貰い歩き出した。

するとカラオケ大会が始まったみたいで音楽が聞こえてきた。花子もあれに参加するんですね、楽しみだなあなんて言う隣の男は総スルー。太公望も黄飛虎もなかなかである。

頑張ってください、優勝したら僕からのご褒美ですよと耳元で囁かれた。見ろこの鳥肌を、私は三杯目の酒を一気に呑み舞台に上がった。

高「おおっ花子だ」

王「やはり出るつもりだったのか」

森「相当酔ってるぞアイツ」

李「目据わってんぞ、ちょっとヤバくない?」



聞いて下さい。金鰲島、いや主に聞仲様+仲間達へ愛を込めて歌います。

−−すうっ、私は息を吸い込んだ。



【愛して止まぬ金鰲島】


ああ 私の胸はいつもドキドキ
宝貝渡され数百年 パオパオ
あの人にお会いしてから
私の鼓動が止まらない らぶ!

Ah 金鰲島 Ah 聞仲さま
この命は貴方と共に
Ah 金鰲島 Ah 聞仲さま
大好き大好き 止まらないの


高「お、おい…歌唱力どうのじゃなく恥ずかしくて見てられねんだけど」
森「聞仲様を見てみろ震えてるぞ」
李「いやいや怖くて見れねえよ!」
王「いや、愛が伝わってくるじゃないか。可愛いな花子は」

(((え?)))

ああ 私の胸はいつもドキドキ
仲間と出会って数十年 パオパオ
初めての友達 初めての感情
私の鼓動が止まらない らぶ!

Ah 九竜島 Ah 四聖と張圭
この命は貴方と共に
Ah 九竜島 Ah 四聖と張圭
大好き大好き 止まらないの〜


高「ち、違うっ、これは汗であって」
森「意外と感動したな」
李「そっそんな風に俺達のことっう…」
王「ぐずッ、ぅ…ぅぅ…」

ちゃらららと音楽が終わり私は大好きな四聖の上に飛び降りた。カラオケ大会の鐘はキンコンカンコンと鳴り太公望の弟子とカバくんが騒いでいる。


高「あ、危ないな花子っ、しかも何だよあの歌詞っ!!恥ずかしかっただろうが!」

「えーでもさ、お酒入ってる時しか素直に言えないんだもんっ」

王「きゅるん!だと…っ、なんだこの破壊力は。今なら楊ゼンに勝てる気がする」

森「はやまるな王魔。その前に聞仲様を見てみろ、目頭を抑えておられるぞ」

李「花子〜ぅぅあああ俺も好きだよおおおおおお」



「えへへ、なに泣いてんのチビ」

飛び蹴りを喰らった。痛い。
まぁ、いつもみたいにビームじゃなくて良かったよ。玉取り上げといて良かったほんと。


「でもまぁ、みんな大好きっ」

酒くさっと高友乾や李興覇から言われたけど舞台に上がった事によりアドレナリンが出過ぎているのか興奮が抑えられずにキス魔になった。嫌がるやつに程やりたくなるものだ。




「悦いではないか、悦いではないかー」


その夜の記憶はよく覚えてはいない、
だがしかし次の日みな顔を赤くしては私を避けていた。そして、私の部屋にはカラオケ大会のトロフィーが置かれていたのだがその詳細もあいまいだ。






りかさんリクエスト
「四聖と夏祭り」
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございます。金鰲島と崑崙山が一緒にいる事が難しい問題でした!笑
もう時間軸がぶれぶれですが私の中では封神計画の後の話にしているつもりです。封神台の中での大きなお祭り…的な感じでしょうか。王魔、及び楊ゼンファンの方にお詫び申し上げます、私は少し変態気質な彼等が大好きです。笑

2013.09.09

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