顔を真っ赤にして濡れた瞳で私をじっと見つめて抱きつき「ウェスカーさぁん」と言うなまえを見て私はいつの間にクリスにやられて天国へ来たのかと真剣に考えた。


「はーウェスカーさんあったか〜」
「なまえ!そんなに私が好きか!ならっ」
「好きー!」
「そ、そうか……」

「好き好き〜」と言いながら私の胸に顔をグリグリ押し付けるなまえはかわいい。何だこの生き物。かわいい。
しばらくその可愛さにぼーっとしていると、なまえがぱっと顔をあげて「ウェスカーさん!」と呼ぶ。

「なんだ?」
「今日は、ベッドに行こう!って言いませんねぇ」

そう言ってケラケラ笑うなまえ。誘っているのだろうか。そうなのだろうか。いや、そうだろう。

「なまえ、じゃあベッドに行ってするか?」
「いいですよぉー!」
「なっ」

いつもなら一発ビンタでも食らうところなのに、何だと?「いいですよ」?実はこれなまえじゃないんじゃないか?

「いい、ですよ?」
「…………、出て来いクリース!!いるんだろう!!これは罠だろう!?!?」

私の腕の中で頬をピンクに染めてそう言うなまえに違和感を感じた。
わかったきっとコレは罠に違いない。クリスの奴らがなまえに似た女をここに連れてきてそして私にこう誘惑をかけて油断したところを後ろからブスッと刺すんだろうそうだろう!!
「わかっているんだぞ!」と声をあげながら、部屋を見渡せば、リビングの床に何か転がっているのに気づいた。

なまえをくっ付けたままビンのそばまで移動し、それを拾う。
ラベルを見れば、それは度数の高いリキュールだった。

「なまえ」
「はいー?」
「これ、飲んだのか?」
「はいー!」
「それで、こんなになったのか!」

道理で、としてため息をつく。しかし、クリスの作戦でなくてよかった、いまだにすりすりと頬を私にするつけているなまえを見下ろせば、それに気づいたなまえと目があう。んふふ、と普段なら絶対にしないふにゃふにゃした笑顔をお見舞いされる。私を殺す気か。
それにしても、酔うとなまえはこうなってしまうのか……

「ふむ、なまえ!」
「あい!」
「私のことは好きか?」
「好きです!」
「愛してるか?」
「愛してます!」
「じゃあこれから」

ぐっとなまえを抱き寄せ、耳元で「しようか」とささやく。
その時、「ひゃん」と甘い声が聞こえて、どうやら感度も高まっているらしい。
こんなに素直ななまえなんて、さぞかしかわいいだろうと思っていると、「あのっ、」っとなまえが震える声で発した。

「なんだ?」
「きもちよく、してくださいね?」

目に涙をためて、そう色っぽく吐き出すなまえ。
これは普通なら興奮するところだ。普通なら。
しかし、どうにもそれが落ち着かなくて、やはり違和感があって、私は手を頭にあてて「あー」とうなってそして、こう言った。

「いや、やはりなまえ、お前は水を飲んで寝ろ……」



(べたべたするなまえとか落ち着かないし……怖いし……)


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木林様からのリクストの
「夢主に甘えられて逆に本調子が出せないウェスカーさん」
でした!

いやー、うちのウェスカーさんはほんとそういうタイプだと思います!
自分はガンガンせめるし、夢主ちゃんからガンガン攻められてもうれしい!とか思ってるけどでもいざとなると、「あれ、ちがう…」ってなっちゃって、結局つんけんされたほうが嬉しいっていう。
要するにドえ……いや、なんでもありません!

木林様、リクエストありがとうございましたー!