ゲームのプレイヤーとしてレオンさんを操作していた時は、もう色んな所物色しまくりだったのに、実際のレオンさんはそんなことしないみたいだ。
弾は必要であれば取って後はスルー、お金と宝には見向きもしない。
そんなレオンさんの後から後からお金や宝、弾を拾っていく。
弾とお金は大切だってことを私はしみじみと知ってるからだ!
余裕ぶっこいてると必ず敵の多さとボス戦で泣くしね!
それと、お金がないと武器も買えないし改造も出来ない。

っていうか、レオンさんには勇者の特権をもっと使って頂きたい!

と心の中で思っている合間に、レオンさんはとっくにドアを開けて進んでいた。

「わ、レオンさん待ってくださいよ!」
「ああ、悪い」

その瞬間、上から大きな岩が落ちてきた。
そうだ、ここはそんなシーンだった。
もちろん、レオンさんはその岩から走って逃げるしか無いわけで、

ああ、死んでてなければいいけど、と思いながら私も走り出そうとした、その時、がっと腕を捕まれる。
え?と腕を見ると、村人が私の腕をシッカリと掴んでいた。
離せ!と思いきり体をふるが、もう一人いた村人に、脇から抱えられてしまう。

「やだ!離せ変態!」

ガンガンと刀の鞘で村人の背中を殴るが、全く効いて居ないようだ。
そのまま私はまた村に連れていかれてしまった。

「うごっ!!!!痛いなぁ!もっとそっと置けばかぁ!」

ポイッと投げられて、危うく床とキスしそうになったので、村人に怒鳴ると、ガバッと首を捕まれた。

「うわぁぁあああ!ごごごめんなさい!!!殺さないでっ!」

バタバタと暴れても村人2人に押さえつけられる。そして、何処からか出てきた邪教徒の手には、あのプラーガの卵が入っているであろう注射器が握られていた。

「あー、ヤメテ!それヤメテ!絶対プラーガ入ってるって!やめ、ふがっ!」

ぎゃあぎゃあと騒ぐ私の口に村人がハンカチのようなものを押し付ける。
あ、これってサスペンスドラマとかで犯が良く使うやつじゃないんですか?
口を塞がれ、体を抑えられてもなおも続ける私の抗議も虚しく、注射器は私の首にプツリとさされてしまった。
それからすぐに意識がくらくらと遠のくように揺れる。


あー、殺す。起きたら絶対殺す。