「いやあ〜わざわざお出迎えしてもらっちゃって悪いねぇ〜。あ、そんなに気を使ってくれなくてもいいんだよ?」
「……よくたどりつけましたねスコット君」
「っく……!また私の事無視したっ!」
「またお前か」
「彼女は聖なる洗礼を受けて我らの仲間となるのです」

ぶええあいつが私の事いじめるよう!とルイスさんに泣きついている間に、淡々とレオンさんとサラザールは話を進める。
なんだろう、この二人のスルースキルが憎い。憎くて憎くて仕方なくて一周回ってうらやましいわコンチクショー!
とか言っていると、シュン、と何かを投げる音と、そして何かにザクリと刺さる音がして、ふとそっちのほうを見れば、サラザールの手には、レオンさんが投げたであろうナイフが刺さっていて、

「いたっ、あいたた、あいたたたた」
「いや、なまえには刺さってないだろう」
「視覚的にあいたたたっ!」

ふえええ、と泣きべそをかくサラザールのそばにいたデカいヤツが歩み寄り、刺さっていたいたナイフをさっと抜き、レオンさんのほうへ投げ返した。

「っと!あぶない!」

これは読めていた展開なので、カンッっと飛んできたナイフを鞘で弾き返す。
多分レオンさんならよけれたと思うけど、念のためだ。
「なまえ、ありがとう」とレオンさんに言われて、えへへ、そんな滅相もないとデレデレ顔で返していると、その隙にサラザールはまたふええと情けない声をあげながらエレベーターへと逃げていった。


「くそっ!逃げられた!!」
「まぁ、上でおとなしく待っててくれてますよ」

さあ、行きましょうか、と私は上へと続く階段を指さした。
教徒たちの邪魔をかいくぐりつつなぎ倒しつつ、上へ上へとあがってゆく。
ゲームじゃ何だかすぐ着いたのに、なんだろう、エレベーターまでの距離って案外遠いのね……!

そしてまだかまだかと唸っていると「エレベーターだ」と隣でルイスさんがそう言った。

「それ、乗るんです!」
「オーケー!」

わたわたとエレベーターに乗り込み、ルイスさんがスイッチを操作するが、荷物がまだ乗ったままだから動かないはず……、そう思い、レオンさんに荷物を下に落とすよう言おうとしたが、その前にエレベーターはガウンと音を立てて動いた。


「え、動くんだ」

まあ、荷物を運ぶようのエレベーターだから、これくらい乗せれるのがふつうで、ゲームが異常なんだろう。
あとは上からボトボト落ちてくる邪教と達を、ひたすらエレベーター落とす簡単な作業をして、上へと上昇していった。しばらくそうしているとまたガウンと大きな音がしてエレベーターが止まり、降りる。そしてまた小さなエレベーターに乗ってさらに上に上がり、最後にサラザールとの決戦の場へと続く階段を上った。その途中手すりのほうによって下を見下ろしてのだけど、あまりにも遠すぎる地上にひゅんと血の気が失せた。

上に上りきると、大きな扉とその横に店を構える武器商人。
レオンさんとルイスさんにはこの後に起こることは大まかにエレベーターに乗っている間に説明してある。だから、二人は武器商人に銃の改造や弾の補充を頼んだ。その間、私はしっかりそこに目当てのあるものが有ることを確認して、そしてハイっと手を挙げた。


「ここで提案があります」