サラザールの右腕を倒した私たちは(いや、倒したのはレオンさんとルイスさんだけども)、先ほど電気を通して動かしたエレベーターに乗り、地下へと降りた。
そして3人でいろいろ協力して採掘場を抜る前の大きな扉の前に立つ。


「此処から先は、」
「なんか読めるぞ」
「次は何だ?」
「エヒルガンテが2体です!」

ブイ!っと指をピースサインをして2人に見せれば、レオンさんはハーとため息をつき、ルイスさんはハハハと笑う。

「なんか、殺しにかかってるな」
「超、大歓迎ですよ」
「まあ、エルヒガンテなら何度か戦ったし、な」
「俺も知らないわけじゃないし、なんとかなるだろ」
「そう言えるルイスさん。シビレるわー!」
「だろだろ」

アハハー!ウフフー!と笑いながら、ドアを開ける。
そして一歩中へと入ったとたん、ムワッとした熱気が襲う。

「うわぁ、あっつい…」
「こんなところ、長居はできないな」
「ああ、さっさと行かなきゃな」


ジャリ、ジャリと鎖を引きずる音と、大きな足音がして、二体のエルヒガンテが出てきた。いや、ほんと、あんたたちもつらいでしょうにね。


近づいてくるエルヒガンテたちから逃げるけど、下が金網で走りにくいわ、熱くて熱くてたまらないわで、嫌になる。なにこれ、真夏より熱いんですけど。


「る、ルイスさん…っ」
「なんだ、なまえ、へばるのはやくないか?」
「いやいや、早くないですよっ!それより、どっちか一体でもあの真ん中に落としたいんですけど」
「あけれるのか?」
「はい!」
「なら一体といわず二体ともだ」
「え、」
「レオンと一緒にひきつけるから、なまえ、できるか?」
「はい…!」


「よし、頼んだぞ」とルイスさんが私の頭をクシャリとなでて、レオンさんの元へと行く。私は、すぐに真ん中のふたを開けるレバーの元へと走った。
そしてすぐに二人がうまく似たいのエルヒガンテをひきつけ、真ん中へともって来る。
タイミングを見計らい、レバーを下げれば、きれいに二体とも落ちてしまった。
熱くなったどろどろの鉄だろうか、それに飲み込まれていく二体のエルヒガンテに、すこし申しわけなくなるけど、同情したところで通してくれないので、やめた。
レバーから手を離し、レオンさんとルイスさんのところへ行く。
二人はよくやっと褒めてくれて、そして溶鉱炉を後にした。


「汗がやばい…」と言いながら、道なりにすすめば、上に開けたところへ出る。
さらりと頬をなでる風が気持ちいい。
「あー涼しい」と腕を広げて、涼しさを堪能していると、どこからかブブブと羽音が聞こえてきた。


「虫、か」
「たっく、少しは休ませてくれても良いだろうに」
「でも今なら虫もかわいく見える」
「いや、なまえ、それはやめとけ」