「いきますよー!」
「オーケー」


入り口のドアのそばにいるレオンさんにそう合図して、私はガチャンと電力の制御装置のレバーをおろした。すると、それと同時に入り口のシャッターが降りる音がする。すぐにレオンさんが入り口を開けるためにドアのそばのスイッチを押したようでピーという電子音がした。


「来るか?」


近くにいたルイスさんがそう呟いた瞬間、ダァンダァンと数初ショットガンの音がした。


「なまえはここに」
「う、うん」

私は何かよく分からない機械と機械の隙間に入って隠れる。
ルイスさんはそれを確認して、レオンさんのところへと行った。
ガラァンと液体窒素のボンベを倒す音がして、ひたすら弾を撃ち込む音がした。
私は三角座りで息を凝らす。
今回、ウェルデューゴを倒すにあたりの作戦は、その名も「ロケットランチャーでドカン」。


まず、下の武器商人から村で集めに集めた金をはたき、ロケとランチャーを購入し、ヤツとの決戦場になる電力制御室へ入る。そしてヤツが来たら、とりあえずレオンさんとルイスさんで電力制御室のドアがあくまでやり過ごす。私は隠れる。そしてドアが開いたら廊下へでて、窒素をヤツに浴びせ、ヤツが動けない間に距離を開けてロケットランチャーをぶち込む。その間私はその場でじっと隠れる。という名前のとおりのそのまま、かつ簡単な作戦だ。
私、ただ隠れてるだけじゃね?と思うが、レオンさんとルイスさんにそうしろと言われちゃ、私はノーとはいえますまい。

じっと膝を抱えていると、またピーと電子音がした。
ドアが開いたんだ。
レオンさんとルイスさんは大丈夫かな?吹っ飛ばされてないかな?と考えていると、遠くからすごい爆発音が聞こえてくる。それにビックリして固まっていると、足音が2つ聞こえて、「なまえ」と名前を呼ばれた。私は弾き飛ばされるように隙間から飛び出て、その名前を呼んだ人に飛びつく。


「っと」
「あー、よかった!怪我、ないですか!?吹っ飛ばされませんでした!?」
「なんだ、そんなに心配したのか?」
「そりゃ、心配しますよ!!待ってるのって案外つらいんですよ!もうレオンさんが吹っ飛ばされてたらどうしようかって…」
「ははは、なまえにそんなに心配されてうれしいよ」
「でも、良かったです。2人とも何もなさそうで!」
「ん、ありがとう」

そう言ってぎゅうっと私を抱きしめるレオンさん。私は少し恥ずかしくなって「あはは、なんですかー!」と笑って、ふと横をみれば、なんとも言えない生暖かい目をしてルイスさんが笑っていた。


「る、ルイスさん?」
「ん?なんだ?」
「その顔、何なんですか?」
「ん?微笑ましいなと思ってな」
「な、何が?」
「いや、いいさいいさ」