「なぁにこれ〜?」
「何かの仕掛けと連動しているようだ」
「わっかりやすいなぁ」
「そうですね、罠ですねこれは」

目の前にある"王の聖杯"を四人で囲む。
ご丁寧に、「聖杯を取る者に災いあれ」なんて書いてるから、先を知らない3人も余裕で「ぜったい何かの罠だ」と感づいている。

「コレをとると、扉が閉まってあそこにある甲冑が3体×2で襲ってきます」
「そうか。で、コレは取らないといけないのか?」
「うん、コレがないと先にすすめないよ」


3人が私がこの先の展開が分かるというのを知っている事をいいことに、これから起こることをすべて話していく。
これで素早く進めるし、もしゲームと違うことが起きても、何も言わないよりは危険も少なくなるはずだ。

「どうする?レオン」
「なまえとアシュリーは外で待ってたほうが良いだろう。」
「えー、私も一緒に」
「なまえ!ここは男2人に任せてか弱い私たちは外で待ってましょ!」
「しかたない…」

アシュリーに腕を引かれ、しぶしぶと部屋を出て行く。
去り際に「頭にショットガンで中身が出たら閃光手榴弾で一発ですよ」と言えば、二人に笑われた。


ぴったりとしまった入り口の前で、アシュリーと体育座りをして2人が戻ってくるのをまつ。


「なんだかやっぱり心配だよアシュリー」
「あら、いつもと立場が逆ね」
「そうだっけ?」
「そうよ!でも大丈夫!だって、なまえはいつもレオンのは強いって、言ってるじゃない」
「まぁ、そうなんだけどね」

そうなんだけど、やっぱり心配にもなるし、進行具合も気になる。
だって私の知ってるとおりにことが進むとは限らない。


「うーん、なんだか改めて待つって気が気じゃない…やっぱり私も一緒に行きたかったなぁ」
「でも、なまえ、あなたは強いけど、ちょっとはレオンのことも考えてあげて」
「うーん、やっぱり私、足手まといかな」
「そうじゃないわ。もう、いやね!」
「ど、どういうこと?」
「いい?レオンはね!」


アシュリーが人差し指をピッ!と指して話し出したそのとき、入り口が開いて、レオンさんとルイスさんが戻って来た。
アシュリーが「あら、残念また今度ね」と言う。
え、なに、気になるんだけど。


「おかえりレオンさん、ルイスさん」
「ああ、なまえのアドバイスのおかげで楽に倒せたよ」
「ほんとですか?怪我ないですか?」
「ああ、大丈夫」
「なまえ〜!ここ、かすっちまった。なまえが舐めて消毒…、いや、すまないなんでもない」


ゴスっとレオンさんがルイスさんをひじで度突いて、それから王の聖杯を私に見せて「キーアイテムはコレだけでいいのか?」と聞いた。
私はふるふると首を振って、「もういっこ、対になるのがあるんです」と言う。
すると、レオンさんは「じゃあそれを取りに行こうか」と私の手を取った。


「え、あ、はい!」


「もー、仲良しねぇ」
「俺、複雑なんだけど…」