帰ってきたレオンさんはちょっと焦げ臭かった。

「もうすぐでBBQになるところだったよ」
と冗談にならない冗談を言って笑うレオンさん。
「やめてくださいよ」と私が言うと、レオンさんは「すまない」と笑って私の頭をぐしゃりと撫でた。

「で、レオン。あそこにはなにかあったか?」
「ああ、獅子のオブジェがあった」
「獅子のオブジェ?いったい何に?」
「なんとなく心あたりはある。とりあえず進もうか」
「ああ、じゃあこっちだな」


そう言ってルイスさんが指すほうには豪華な装飾がされた…


「トロッコ?」
「みたいだな」

「さあ行くか」とルイスさんはなんのためらいもなくトロッコに乗るから、そのあとにつづく。前にルイスさんとレオンさん、隣にはアシュリーが座って、トロッコがごろりと動き出した。
トロッコは結構な速さで、ぶおおと風が頬を撫でる。
私は思わず「おー!」と感激の声を上げてしまった。

「なんか、遊園地のアトラクションみたいだ」
「そうね、でもいやよこんな悪趣味な遊園地なんて!」
「まぁ、そうだね、アシュリーの言うとうり」
「お前らは能天気だな〜。お、もうつくぞ」


徐々にスピードがゆっくりになって、それからトロッコが止まる。
私の記憶が正しければ、この部屋をでたらたぶん最初にサラザールに会ったところに戻ってきたはず。
レオンさんがカギをあけて扉を開ける。
そこは思ってたとおりの部屋だった。


「ここにつながってたのか」

とレオンさんがつぶやく。
私とアシュリーは真っ先にあのオブジェのところに向かった。

「ここ、あの変なヤツに閉められちゃったのよね?」
「うん」
「どうすればいいのかしら?」
「この窪みにオブジェをはめればいいんだよ」



道を塞ぐ壁のくぼみに、「こうか?」とレオンさんが3つのオブジェをはめていく。
すると、ゴゴゴと大きな音を立てて壁が下がった。

「じゃ、先にすすもうぜ」
「やっと、って感じですかね」
「もう十分だ」
「私もはやく家に帰りたいわー!」

わいわいと4人で騒ぎながら、壁にさえぎられていた先にあった大きな金色の扉を開く。
その先にあったのは、さっきと同じ、細かい装飾が施されたトロッコがあった。


「あのー、サラザールはここをテーマパークか何かにしようとしたんですかねぇ?」
「さあな、金持ちの考えることは良くわからん」