「とりあえず、この薬を飲んだほうがいい」


そういってルイスさんがポケットから小さなビンを取り出す。
それは、レオンさんとアシュリー、そして私に植えられたプラーガの成長を抑える薬で、私はそれを見てプラーガの胞子が自分に植えつけられているのを思い出した。



「さて、行こうか」

薬も飲んで後は進むのみ。
次の部屋へと行こうとしたその瞬間、レオンさんの無線機がなった。


「きっとサラザールだ……」
「だろうな…」


顔をしかめてしぶしぶ、とレオンさんは無線を取る。
話し相手のサラザールの声は聞こえないけど、レオンさんが「お前が出てきたおかげでせっかくの良いシーンが台無しだ」と言っているから、きっとゲーム通りのことを言っているんだろう。
すぐにレオンさんは無線を耳から離して、それからため息をついて「むかつくやつだ」とつぶやいた。


「レオン、なんの話だったんだ?」
「いや、なんでもないただの世間話さ。さあ行こう。」


ドアをおして、次へとすすむ。
部屋を出てすぐに一人乗りの乗り物がある。その奥には扉。確か、ここは閉じられた道を進むためにいる最後の鍵<オブジェ>があるあの龍と炎の部屋だ。


「一人しか乗れないみたいだな。どうするレオン?」
「俺が行こう。ルイスはなまえとアシュリーを頼む」
「わかったよまかせろ」
「ありがとう」


それじゃあ、言ってくる、とレオンさんは物怖じもせず、乗り物にのって部屋へと入っていった。
そのあとはひたすら3人でレオンさんの帰りを待つだけだった。
たぶんまだ5分もたっていないのに、もう何時間も、何日も待っているような気すらしてくる。
アシュリーは「大丈夫かしら?」と心配そうにおろおろしていたが、「私は大丈夫だよ」と笑って言う。
けど、ほんとはちょっと心配だ。
だって、これはゲームじゃないし。