「レオンさーん!取ってきました!」
「なまえ!!」


「無事で良かった!」とレオンさんにぎゅうーと抱きしめられる。
それから「怪我はないか?」と体中ペタペタと触られる。

「大丈夫ですよ!大丈夫ですので、ちょっと、その、恥ずかしいんで…」
「あぁ、すまない」
「それより、はい、これ!さっさと行きましょう!!」
「ありがとう」

月のかけらを合わせて施錠されていた扉にはめる。
するとさっきまでしっかりしまっていた扉すっと開いた。
先に部屋に足を踏み入れるレオンさんについていくと、何かが背中にあてがわれた。

「手を上げて」
「!?」


エイダが出てくるのは知っていたが、私に来るのかっ!?
ということはあの有名な「接近戦ではナイフが早い」は私が言うことになるのか!?
っていやいやその前に私はナイフ持ってないし。

「っ!エイダ!?」
「レオン、久しぶりね」

エイダは私の背中に拳銃を突きつけたままレオンさんと話し出す。
私はこのままじっとしてればいいのだろうか…?

「エイダ…噂は本当だったのか」
「なんのことかしら?」「ウェスカーの組織に入ったらしいな」
「よく知っているわね」
「いったい何故」
「聞いてどうするの?」
「こんな所で何をしている」
「それを言うならこの御嬢さんもでしょう…?」

いつの間に落としていたのか、エイダのサングラスが光り、白い霧が吹きだした。
あまりのまぶしさに目がくらむ。

「っ…!!」
「うわっ」
「またね」
「エイダ…!!」


シュン!とおよそ人間にはできないような素早い動きで窓から出ていくエイダ。
いつも思うのだか彼女はなにをしにき…ごほんごほん、いやなんでもない。
それよりも早く進んだほうがいいだろう。
私はぼーっと窓のほうを見ているレオンさんに声をかけた。

「レオンさん」
「あぁ、すまない。進もう」


* * *


ワインの仕掛けを解いて、開いた部屋。
部屋の真ん中には「ここに宝があるんだぜ!」というように宝石箱が置いてある。

「これは…」
「なにかありそうな感じだな。なまえはここで待っていてくれ」
「はい」

そういって一人で入っていくレオンさん。
そして、レオンさんが宝箱に手をかけた瞬間に上からがしゃんと檻が降ってきた。
チッと言う舌打ちと、「やっぱりな」というレオンさんの声が聞こえてきた。

それと同時に、私の頭の中に「ちゃららー、ちゃーららーらちゃー、ちゃらららー」と某仕事人のBGMが私の脳裏に流れる。

「お命、頂戴いたすっ!!」

檻のまわりの邪教徒たちを適当にけちらして、背中丸出しな変態薄目ヤロー、否ガラドールさんの背中に檻越しにおもいっきり刀を突き刺す。
すさまじい悲鳴を上げてバターンと倒れるガラドール。
私は刀を鞘に納め、「きまった!」と小さくガッツポーズをした。
そして、すぐにガキンと錠前が壊れる音がしてレオンさんが檻から出てきた。


「ご無事ですか!レオンさん!」
「あぁ、助かったよ。それにしても、あいつら錠前つける所間違ってないか?」
「それを言っちゃダメです!邪教徒さんたちも頑張って作ったんです!」
「そうか…そうだな」

ふっと微笑むレオンさん。麗しい。

次の部屋に進んで、下にいる邪教徒たちを手榴弾でふっとばす。
それから下に降りてガシャンと橋を出すレバーを倒す。
すると、ゲームのようにごごごごごと橋が現れた。

そこで私はふと思った、次のエリアに移動したときに、ルイスさんはレオンさんの後から現れる。
ということは、ここでずっと待っていればルイスさんは現れるのだろうか。
しかし、それならサドラーともばっちり会うことになってしまう…。

「ていうかもう死んでたらどうしよう…」とレバーに手をかけたままうんうんうなっていると、橋の上からとっくに邪教徒達を殲滅したレオンさんに「なまえ?」と呼ばれる。

「あ、はい!」
「どうかしたのか?」
「いえいえ、行きますか!」