馬の像が吐く火を止めるため、何をするか3人で考えてると、(まあ、私はどうすればいいのか知ってるものの、言う訳には行かないので考えるふりをしてるだけなんだけども)アシュリーが絵画にくっついていたカギを見つけ、とりあえず閉まっていた地下牢の扉に使ってみることになった。

案の定、扉は開いて、アシュリーは「なんであんなところにカギをおいておくのかしら!馬鹿ね!」と笑った。
ええ、私もそう思います!!


3人でそろりと地下牢に下りてゆく。
すると、すぐにアシュリーの「ひっ」というおびえた声がした。

「なんだ、あれは…」

レオンさんがつぶやく。
地下牢の奥の、檻の中にはあの変態薄目野郎、いや、ガラドールさんが鎖に縛られておらっしゃったのです。
そしてその横にはちょこんとレバーが。


「なまえとアシュリーは上に上がって待っていてくれ。俺が、何とかしよう」
「でも、レオンさん…」
「大丈夫だ。待っててくれないか?」


ぎゅ、っと手をにぎられて、その上目を見つめられたら、ノーなんて言えるわけがない。
私は「はい…」としぶしぶうなづいて、アシュリーと一緒にたぶん安全地帯であろう地下牢の入り口付近で待機することになった。


レオンさんが檻の中に入ろうとするが、カギがかかっているようだ。
すると、レオンさんは迷い無く足で2、3回入り口を蹴り、カギどころか入り口をぶっ壊す。
さすがですレオンさん。

そして、レオンさんは慎重にガラドールの様子を伺いながら、レバーへと手を伸ばす。
が、ガラドールは奇声を上げ鎖をちぎって飛び出した。
レオンさんのチッという舌打ちが響く。


鋭い鉤爪を振り回しながらレオンさんに突進するガラドールに、どうもレオンさんは苦戦しているようだ。


「なにアイツきもちわるい…」

アシュリーがうぇえと言いながら私の後ろで顔をしかめる。

「レオン、苦戦してるみたいだわ…どうしたらいいの?」
「うん、アイツ目が見えてないから音のするほうに反応して突進してるんだとおもうんだけど…」


「ちょっといってくるね」とアシュリーのそばからゆっくり音をださないように離れる。
それに気づいたレオンさんが「なにを!」と叫びかけたので、口に指を立てて「シー!」というポーズをする。
そしておいてある鐘に思いっきり刀をたたきつけて音を鳴らした。

ガラドールはすぐに標的をレオンさんから音のした鐘に変えて、鉤爪を振りかぶって突進する。案の定、鉤爪が壁に刺さって動けなくなったガラドールが、奇声を上げながらもがいていた。
爪が抜けないうちにと刀を抜いて、思い切りヤツの弱点である背中に突き立ててやる。
するとガラドールは「うおおお」と野太い声をあげて崩れ落ちた。


「うわ、やった?」

自分でもこんなにかんたんに倒せるとは思ってなかったから、ポカーンとその場に立ち尽くす。すぐにレオンさんがそばにやってきて、すでにどろどろになって原型がなくなったガラドールを見て「やるな」と苦笑いした。

いや、ほんとびっくりだよ。