「ぎゃ、わあ!?」
「大丈夫か!?」
「はい、なんとか大丈夫です」

頭上をびゅんびゅんと燃える石が飛び交う。
これ、ゲームではレオンさん当たってもふつーに起き上がってたけど…

「当たったらあの世行きだな」
「ですよね!!」
「とにかく当たらない所に行こう」
「はい」

レオンさんに手を引かれ、投石に当たらない場所へと移動する。
そして、レオンさんは「止めてくる。何かあったら叫んでくれ」と言って投石をとめるべく、颯爽とさっていった。


「レオンさんに当たらないと良いけど」
「本当にそうね」

2人でおとなしく端っこにうずくまって膝を抱える。
でも、投石は来ないけどたぶんここもそんなに安全じゃないはず。
きっとすぐに他の邪教徒がやってくるだろう。

そう考えていると、ザリっという足音が聞こえた。
ハッと周りを見渡すと、アシュリーの背後から黒いローブをかぶった男が一人やってくるのが見えた。


「………、アシュリー」
「なに?」
「目、瞑って!10秒くらい!」
「え?きゃあ!」

ウォーと唸りながらアシュリーの背後に迫っていた邪教徒を刀の鞘で殴り倒す。
それから、刀を抜いて「おりゃっ!」と思いきり刀を邪教徒の首に向かってふった。すると、スパン!とそんな音がしそうなくらい滑らかに邪教徒の首が飛んでいく。
それから、首のない身体はそのままバタリと倒れてズルズルと溶けて無くなった。


「うぇっ!グロい!プレステ2では味わえないリアルさ…!」
「お、おわった?」
「あ、うん。終わったよ」
「ありがとう、なまえって強いのね!」
「ううん、そんなことな…っぐっ!?」
「なまえ!?」
「ゲホッ!」

いきなり何かが喉にせりあがり、思わずむせる。手がなにか生暖かい物で濡れて、まさかと思って見てみると、案の定血だった。

「プラーガか……」
「まさか…!なまえも!?」
「みたいだね。あはは、吐血なんて初めてしたよ」
「笑ってる場合じゃないわよ!」


「もう!」と涙目のアシュリーに怒られていると、レオンさんが帰ってきた。
「どうかしたか?」とレオンさんが聞くと、アシュリーが「レオン!なまえが吐血したの!」と話し始めた。

「なまえもか…」
「ええ」
「寄生体の殺し方を急いで探さないといけないな。上にあった門を開けた。さぁ、行こう」