カギがかかって開かなかった大きな扉の前に立つ。
アシュリーが「どうやってあけるの?」とレオンさんに聞いた。

「ああ、コレであけるんだ」
「なに、これ…ってこ、これ!目!?」
「ああ、そうだ」


おどろいて村長の目を持っているレオンさんから三歩下がるアシュリーに、レオンさん
がくすくす笑う。

「まあ、目といっても義眼だから、プラスチックか何かだろう」
「で、その目をいったいどうするの?」
「こうするのさ」


レオンさんが義眼を扉についているセンサーであろうところに近づけると、ピーっと音がして扉のカギが外れる音がする。
私はおもわず、おお!と声を出す。

「さあ行こう。村から出れるぞ」



大きな扉を抜ける。
が、それで村から出れてやっと安心!とはならなかった。
前方から村人たちが「まってました!」といわんばかりに武器を持ってこちらに走ってくる。

「わあああぁあ、こっち来ますよレオンさん!」
「ったく、しつこいやつらだな!」

レオンさんがはぁーっとため息をついて銃に弾をこめていると、アシュリーが叫んだ。

「車が突っ込んでくるわ!」

ブー!という音を出しながら突っ込んでくる車。アシュリーがぎゅっと私の腕をつかんで「ぶつかるなんて嫌よ」と言った。
アシュリー可愛いよ!アシュリー!!
いや、そんな能天気なこと言ってる場合ではないのだけれど、私の頭はもうどうしようも無いみたいだ。あきらめよう。
私がそんなことを考えているうちに、レオンさんはさっさと車の運転手を狙撃し、車を横転させた。

「よし、行くぞ」
「レオン、人が出てきたわ!」
「走れ!あの城へ逃げよう!」


わらわらと押し寄せる村人からダッシュでにげる。「なまえ、そっちのクランクを頼む」とレオンさんに言われ、私は急いでクランクに飛び付いた。
それから精一杯の力をこめてクランクを回す。

どんどんと城への橋があがり、村人たちは追ってこれなくなった。

「っはぁ、間に合ったー」
「あぁ、手伝ってくれてありがとうなまえ」

レオンさんにお礼とともににこりと微笑まれ、なんだか急に顔が熱くなる。
その笑顔は反則だと思います先生…!!

「どうかしたか?」
「な、な、べつに!はは、早く行きましょう!」


恥ずかしくて、死にそうになったので、ずかずかと進んで行く、そう言えばここは、と思った時、唸るような声が聞こえて火のついた岩が飛んできた。
あー、そういうとこでしたね、ここも!!