「そそそ、そんな事があったんですかっ!?」
「あぁ」
「曰く付きの刀だって聞いてたけど、本当にそんな事があるなんて…」

ほんと自分は何てものを触ってしまったんだろうか。
自分が知らない間に自分に何かがとりついて喋りまくるなんて何だか少し嫌だ。あ、ごめんなさい、嘘つきました。自分が知らない間に自分に何かがとりついて喋りまくるなんてかなり嫌だ。


「と、取れないんですかね?」
「どうだろうな」
「ですよねー」
「でも、なまえを守ってくれるみたいだから、良いんじゃないか?」
「うーん…、そうですね、うん、有難いと思いましょう!」


そして、ぎゅっと刀を握りしめる。
すると「あー、なまえ?」とタンス王子ことルイスが喋りかけてきた。

「はい?」
「俺はルイス、ただのハンサムなプーなんだが、少し聞きたいことがあるんだ。あー、吐血なんかしたか?」
「吐血ですか?分からないです。レオンさんとはぐれてから今までの記憶が飛んでて……」

そう言うと、ルイスさんは「そうか」と呟き、私の頭にぽんっと手をおいた。

「それからもうひとつあるんだが…、電話番号でも教えてくれよ」
「は、電話番号…ですか?」
「ルイス!」
「冗談さ!」

ははは、と笑って、ルイスさんは「忘れ物を取ってくる」と言った。
ドアに手をかけ出ようとしている彼の背中に思わず声をかける。

「ルイスさん」
「ん?」
「あの、色々気をつけ下さいね!」

そう言うと、ルイスさんは一瞬明後日の方をみて、すぐにニヤリと笑った。
それからスッとかがんで、チュッと私のほっぺたに唇をつけた。

「う、わ!?」
「お守りに貰っとくぜ」

またニヤリと笑ってそれから「じゃあな!」とヒラヒラと手を降りながらルイスさんは小屋を出ていった。
唇の当たった部分が妙に暖かい。


「ほ、ほっぺにチュー…!むぎゃっ!レオンさん、なにして…うぁ、ちょ、いたいっ!」
「すまない、でもほら、汚いから」
「え?汚いっ?私の顔がっ!?」
「いや、ルイスが」
「えぇ、そんな事言ったらルイスさんかわいそうですよ」
「お父さんあんな人認めないからな!」
「お父さんっ!?レオンさんがお父さん!?」


なんてレオンさんは変なボケを言いながら(キャラが違うぞ!)、むしむしと私の頬っぺたを素手で拭く。
レオンさん摩擦で痛いぞ!



さて、このままここに居るわけにもいかないし、先に進もうと言うことで、武器商人に宝やら何やらを売り付け、レオンさんの武器を改造しまくり、武器を買い込み、さて、二つの扉のうちどっちの扉を開けようかと三人で悩んでいるところです。

「右には村人全員、左にはエルヒガンテか…」
「個人的にハルヒ…いやエルヒガンテはちょっと…」
「エルヒガンテを知ってるのか?」
「えっ?あぁ、なんか名前が強そうだナーッテオモッテ…」
「?。そうか、しかし村人全員を相手するにもエルヒガンテを相手にするにも、銃の弾がな……」
「あ!私弾持ってますよ!」

ほら!とスカートのポケットから今までちびちび集めて来た弾を出す。

「ハンドガン、ハンドガン、マシンピストル、ショットガン、ショットガン、ハンドガン!ほら!結構ありますよ!」
「え、ああ、ありがとう。しかしどうやってこんなに持ってたんだ?」
「フフフ…制服のポケットはドラ●もんの四次元ポケット並みなんですよ!」
「そ、そうなのか…まぁ、弾は確保出来た。次はどちらを開けるかだな」
「まぁ、どっち開けても辛そうですよね」
「確かにな…」
「迷ってても仕方ないので、古来から日本に伝わる方法で選びましょうか!」