「おお!起きたか!」
「なまえさん…」
「え…?」

バチッと目を開けると、おじ…お兄さんと南方先生が私の目の前に居た。
何だ、私はまた南方先生の所に来たのか。
コケたの見られてるから、ものすごく恥ずかしいんですけど。いやまじで。

「大丈夫か!今から、江戸一番の医者の南方先生が見てくれるからの!」
「りょ、龍馬さん、言い過ぎですよ!」
「じゃが、真のことじゃ!嬢ちゃん安心せぇよ!」
「お、お……」
「お?」
「お腹へった……」




「すみませーん!おかわり!」
「まぁ!食欲旺盛ですね」

ふふふ、と笑って咲さんが茶碗にご飯を持ってくれる。
只今三杯目である。
まさかたくあんと白ご飯がこんなに美味しいなんて思わなかった!
シンプルイズベストと言うのはこういうことなのかも知れない。

「白ご飯とたくあんサイコー!」と叫ぶとお兄さんが「そいじゃが、食い過ぎると腹壊すきー」と言ってガハハと笑った。

「なまえさん、本当にそろそろ止めといたほうが良いですよ」

さっき倒れたばっかりだし、と南方先生が言う。

「ん、じゃあコレで終わりにします」

おわんについた米も最後まで食べ尽くして、お箸と一緒に置いて、ごちそうさま、と言った。
それと同時に南方先生が「じゃあ」と私の方に向いた。


「なまえさんを色々と検査したいんですが」
「え?大丈夫ですよ!だって健康ですよ!さっきもご飯三杯食べましたし!」
「でも…」
「それではお世話になりました!アデユー…!」
「駄目です!ちゃんと見ないとまた倒れるかもしれませんよ!」
「はぅあ!」

立ち上がろうとすると、南方先生にグンッと手を捕まれてまた座り込んでしまった。

「ななななな!なんするんですか!めっちゃビビった!めっちゃビビったでぇ!」
「あ、いや、すみません…でもなまえさんはこうでもしないとまたどっかに行っちゃうでしょう?」
「う…」
「あと、話したいこともあるんです」

逃がさまいと私の腕を掴んだままじっと見つめられて、くらっと来てしまった。
「じゃあ、ちょびっとだけですよ」と言えば、南方先生は「良かった」とホッとしたように笑った。

(か、かわうぃぃい…!)