「龍馬さん龍馬さん!」
「ん、おおなんじゃ?」
「ちょっとお願いが有るんですけど!あの!私に剣術を教えてください!」
「はぁ?」

なにを言っているのか、と龍馬さんが驚いた顔をする。

「だめですか?」
「いや、なんも…おなごに剣術は…のぉ」
「私、結構できる子ですよ!」
「そうじゃなくて、傷でもつけたらのぉ…橘殿と先生に何言われるか…」


頭をポリポリかきながら、「うーむ」と唸る。
そんな事もあるだろうと、そこで私は用意していた"とっておき"を発動した。


「ちぇー、仕方ないなー、剣術教えてくれたら、私は龍馬さんに英語教えてあげようと思ってたんだけどなー」

そう言うと、龍馬さんの身体がピクッと動く。
新しいもの好きで好奇心旺盛な龍馬さんの事だから、引っかかるだろうと思ったけど、どうやらドストライクだったみたいだ。
身体がピクピク動いて、口もパクパクしている。

「え、英語ってもしかしたらー、南蛮語かえ!?」
「Yes!That's right!そのとーり!」
「お、教えて欲しいがじゃ!」
「じゃ、剣術教えてくれます?」
「おぉ!おぉ!いくらでも教える!」
「じゃ、交渉成立って事で!明日からお願いしますね!」
「おう!」
「それじゃ、私は晩御飯の準備がありますので!あ、晩御飯是非とも食べてってくださいね!」
「お、おう!」


(おっしゃー!剣術!剣術ー!)
(ところで、なまえはなんで南蛮語しっとるんじゃ?)