「なまえさんは寂しく無いんですか」

ごろごろ転がってその辺にあった本を読むなまえさんに聞くと「んー」と唸ってごろごろとまた転がった。

「あんまり寂しくない、かな」
「強いんですね」
「あー、強いって言うより、何だろ、執着してなかったのかも…」
「え?」
「んー………元の世界もそれなりに楽しかったけど、今のほうがずっとずっと楽しい。だって、寂しくないです」
「へ?」
「ん〜、何でも無いですよ」

そのあと、ぽつりぽつりと話をしてると、途中からなまえさんの声が途切れ始めた。

「なまえさん、眠いんですか?」
「ん…ねむ、です…」
「部屋戻りますか?」
「戻るの、めんどくさい…です」
「こここで寝ます?」

そういうと、「ん〜」となまえさんは唸ってから、そのまま寝息をたて始めた。
なまえさんをそっと抱き上げ、自分の布団に寝かせる。
さて、自分はどうしようかと、部屋を見渡せば、机には読もうと思っていた本がたまっている。これを全て読んでまとめてたら朝になるだろう。
なまえさんの頭をそっとなでて、俺は机にむかった。