うとうととソファーでまどろんでいた私が馬鹿でした。はい。

ぎしり、とソファーがきしむ音でパッと目を覚ませば目の前にはグラサンと金髪。
「あ、しまった」というような顔して私に乗っかっていたウェスカーさんをいつもの癖でひっぱたいた。

「アーッ」と情けない声をあげて、ソファーからずり落ちて床に転がっているウェスカーさんの背中に足をだんっとおいて、私はソファーに座り直した。

「なにしようとしてたんですか」
「あ、いやなまえが気持ちよさそうに寝てたからだな…」
「あれですか、またいつものイタズラですか」
「おお、わかってるじゃないか!なら…イタタ!イタ!!」


ふざけたことをぬかすウェスカーさんの頭をぎりぎりと踏む。
そうそう、こんな変態な人だけどなんだか本当にすごいらしい。
エイダさんも言ってるし、あのあたまがチョココロネみたいなおばさんもいってたなぁ、「アルバートは神になるべき存在なのよ!」って。

ってか、あのおばさんはなんでウェスカーさんのこと呼び捨てなんだろう。しかも名前で。
なんだろう、すごくムカツク。腹の底からムカツク。
ぎりぎりと自然と足に力が入る。

「あんのババァ…」
「いたいいたい!!」

バッと足を取られて次は私がずるりとソファーからずりおちる。
目の前には金髪グラサン。

振出しに戻る。


「なんなんですか」
「ふふふ、SMもいいと思うが、踏まれるのは趣味じゃなくてな。それより、なまえも優しくされたほうがいいだろう?」

にやにやと笑うウェスカーさん。
「何の話ですか?」と聞こうとしたけど、すぐになんのことかわかった。
ウェスカーさんの手が私の腹部あたりでごそごそと動いている。

「ちょ、ちょっとウェスカーさんまだお昼ですよ」
「私が夜と言えば昼も夜になる」
「え、ちょっとそれ意味わかんないです。って、うわあああ、どこに手ぇつっこんですか!?」
「ははは、食べちゃうぞ〜」
「うぎゃぁぁぁぁあああああぁぁぁああああああぁぁぁぁぁああぁぁああああ!!!!!」

食べちゃうぞとかマジキモイですって
(変態ぃぃいぃいぃぃいい!!)
(変態という名の紳士だが!)