「いーい湯だっなっーはははーん!」


縁にどんと両手をかけ、足も思いきりのばして、頭にタオルを乗せてふんふんと鼻唄を歌う(既に鼻唄じゃないっていうツッコミは無しでお願いしたい)。

浴槽に並々と入ったピンク色のお湯。
ふわふわと薔薇の良い香りがする。

シャワーだけじゃ何だか物足りないなぁとボソリと言った次の日に取り付けられた猫足のバスタブ。
ウェスカーさんにしては本当に良いことをしてくれたと思う。

やっぱり日本人はお風呂に入らないとね!


「はぁ〜」と大きく息をはいてバスタブにもたれかかって目を閉じる。
とても静かで落ち着く空間。
ウェスカーさんのセクハラもない空間。
最高だ!出来るならずっといたいね!


なんて思っていた私は甘かった。


静か立った空間にはぁ、はぁ、という息づかいが聞こえる。
それはだんだんと大きくなって行き、バッとその息づかいが聞こえてくるドアの方向を見ると、薄くあいた隙間からキラリと光るレンズと見覚えのあるグラサンが覗いていた。


「………っの!死ねっ!!!!!!」


シャワーを全開にしてブシーッ!とそのグラサンに熱湯をかけてやったのは言うまでもない。


盗撮、ダメ!絶対!
(っ!せっかくのなまえの裸が!!!!)
(いっぺん便所に流れてこい変態!!)
(ぐはっ!!)