「……!?!?!?」


パチパチと何度も瞬きをするフランシスさん。
それからすぐにがばっと起き上がって、上に乗っている私の顔をその大きな手で包み込んだ。


「っ…!なまえちゃん!?」
「はい!」
「ほんとうになまえちゃん!?」
「はい!!!」
「っ〜……!」
「ほわっ!?」


いきなりぎゅっうと抱き締められる。
耳の後ろからフランシスさんの大きなため息と「良かった…」という声が聞こえた。

「心配かけてすみません」

そう言うとフランシスさんは「ううん」と言って立ち上がる。そして、私の手を引いて微笑んだ。

「おかえり、なまえちゃん」
「っ…!ただいま、です」


* * *


フランシスさん曰く、私は2ヶ月ほど行方不明になっていたらしい。
私がもとの世界にいた時間は1日もない。せいぜい3〜4時間だったはずだ。

どうやらもとの世界とこっちは凄い時差があるみたいだ。
でもそんなことはもうどうでもいい。
もとの世界の私は死んでしまっていた。で、私はこの世界に帰ってきた。

と言うことは、もう私はこっちの世界の住人と言うことだ(と都合よく解釈しておく)。

「フランシスさん」
「ん?なぁに?」
「私、私これからもここにいていいんでしょうか?」


フランシスさんが一瞬「は?」と言うような顔をする。
やっぱり迷惑だったのかな?と言う考えが頭の中を高速で駆け巡るが、すぐにフランシスさんはふふっと笑って「出てけ」と言った。

「へ?」
「って言うと思う?」
「あ、いや…」


にこにこ笑いながらフランシスさんは私の頭を撫でる。


「ずっと待ってた。なまえちゃんが帰ってくるの……。ねぇ、なまえちゃんがどっかにいっちゃう前に、俺に言ってくれたこと、覚えてる?」
「え、私何か……、あー…!と…その……」


あの時ドロドロに酔った勢いでフランシスさんに告白をした自分を思い出す。
思わず顔がボッと熱くなった。
それを見てによによと嬉しそうに笑うフランシスさん。


「あんな事いってくれたのに追い出すわけないじゃん。俺、凄く嬉しかったんだからさ。それとも、嘘だった?」
「いや!嘘じゃないですけど!その、改めて思い出すと、恥ずかしいというか……」


あー、と熱くなっている自分の顔を両手で覆う。
恥ずかしくて恥ずかしくて死にそうだけど、同時に嬉しくて嬉しくてどうしようもない。

あまりにも頭の中がこんがらがって、何だか無敵状態になった私は、フランシスさんの服の裾をぎゅっと握って、思いきった事を言ってみた。


「ふ、フランシスさん……、その、じゃあ、フランシスさんは私の事、もらってくれますか?」


それを聞いたフランシスさんは「あ゛ー!」と唸ってぎゅっ!と私に抱きついた。


「もー…なまえちゃんは……」
「や、あの、フランシスさん?」
「もらうどころか全部奪っちゃいたいよ!!」
「っ!じゃあ!奪っちゃてください!!」
「遠慮しないよ?」
「しなくて、いいです!!」
「じゃあさ、遠慮なく……」



(ってうああああ!どこいくんですか!?)
(寝室に決まってるじゃない!)
(ええええ!いくらなんでも!)
(早すぎないよ!2ヶ月もまったしね!)
(ちょ、フランシスさ……アーーーっ!)



おわり










あとがき

というかんじで………!
おわりましたが………………!
いや…、ほんとすみません!
最初からこのくらいの話数で完結って言うのは決めてたんですが、まとまってないしorz グダグダ感満載だし………!

いやはや……
これからも精進いたします!!

ここまでお付き合いくださり本当にありがとうございました!


10/12/26