泣いて泣いて、ぐしゅぐしゅのべちょべちょになった私をウェスカーさんは優しく包み込むように抱きしめる。
しかし、私がこんな状態になっているのは他でもないウェスカーさんのせいなのだ。

腹がたって、殴ったり蹴ったりしてやるが、全く効いていない。
優しく微笑んだまま、私の弱っちい攻撃を受けていた。
ただ、サングラスをバリン!とやったときにみた、ちょっとショックそうなウェスカーさんを見たのを切っ掛けに、私は泣くのをやめた。

もう持ち前のポジティブ★シンキングで行ってやろうと思う。
幸い、ウェスカーさんはイケメンだし。不細工ではないし、イケメンだし。そして私はイケメン大好きなのだし。大切だからもういっちょ。私はイケメンが好きだ!

イケメンと過ごせるなんてよくない?チョーよくない?幸せMAXじゃない?夢みたいじゃない?

「ンなわけあるかブォケェェエ!!!」
「いきなりどうした。ウイルスで頭がやられたか?」
「頭がやられてるのはオマエだよ!ちねっ!」

「ちねっ!」と肝心の部分を噛んだものの、腹いせに、いつの間にかかけ直していたサングラスをバリンとやってやった。
暫く呆然としていたが、すぐにキリッとした顔になり、それからニヤリと口許を吊り上げた。


「ふふふ、分かったぞ!なまえは今、日本で流行りの"ツンデレ"と言うやつだな!」
「うわーお!何かへんなとこ飛んでっちゃったよこの人!なんなの?アホなの?バカなの?」
「分かっているさ、それも愛の言葉だろう?何時でも私の胸に飛び込んでこい!」
「だめだ!だめだコイツ!頭がもうだめだ!」


冗談で片付くヤツじゃない!
(なんとしてもこの変態から逃れなければ!)