私は、追いかけてくる人たちを振り切り、その辺にあった家に逃げ込んだ。
それから、最近ちょっと体重がやばい私でも入れそうな棚を見つけ、そこに潜り込む。
とりあえず、ここで冷静になってみようや。ね?なんて自分に言い聞かせて、見つからないように静かに状況確認をする。

まず、この曰く付きの日本刀を触ったら、いつの間にかこんなとこにいて、しかも、さっきはパニックで気づかなかったけど、よく考えりゃ、これは、いや、実にファンタジーな話なんだけど、まるでバイオの世界だ。しかも4ね。
やりこみすぎて指にゲームだこできたんだよねぇー。

バイオきってのイケメンのレオン君とハンサムなプーのルイスそれに乳が魅惑的なアシュリー。これがもしバイオ4の世界なら、もしかして皆に会えるかもしれないぞ!
そういえば、アシュリーのパンツが見れるイベントあったな…、あれも生で…

なんて場違いな事を考えていたらぱかっ、と言う音がして、棚のドアが開いた。
バレた!?と思い反射的に「ごごごごめんなさいぃぃい!」と叫んだ。

てんてんてん、と静かな空気が流れる。
私はおそるおそるドアを開けた人を確認してみた。すると、驚く事にそれはあのバイオきってのイケメンのレオンさんで、そのレオンさんは驚いてポカンとしている。
そりゃこんなとこに人が入ってたらビックリするよねー

「あのー…そのー…」
「君は…」

レオンさんが何か言おうとしたとき、ギュウンギュウンというチェーンソーの音が響き、窓の割れる音がした。
レオンさんはチッと舌打ちをしてから「隠れててくれ」と言って棚のドアを閉めた。

パンパンと銃の発砲音とドサリと何かが倒れる音とうめき声とチェーンソーの音がする。棚の外ではレオンさんがきっとたくさんのガナード相手に戦っているのだろう。

助けに入ったほうが良いだろうか?
でも私は戦えるわけでもない。
日本刀という凶器を一応持ってはいるけど、それだって使えるわけじゃない。
そんな事を考えていると、ドンッ!という大きな音と、レオンさんの「うっ!」という声がした。

これは不味いんじゃないか?
そう思い、ドアを少し開けて外の様子を伺う。
そこには数人のガナードとチェーンソー男に追い詰められているレオンさんの姿があった。


(その瞬間私は飛び出した。なにも考えてないのにね)