「ん…」

目をさますと、一緒に眠ってしまったはずのなまえちゃんがいなかった。
先に起きたんだろうか。


「なまえちゃん?」


部屋を出てなまえちゃんの部屋に行ってみる。けど、居ない。リビングにも、キッチンにもバスルームにも行った。庭も見た。 でもどこにもいない。なんだか少しやな予感がする。
いや、何処かに出掛けたのかもしれない。何時も何処かに行くときは、メモを置いて出かけるはずだけど、今日は、忘れただけかもしれない。
きっと、そう。

「そう、だよね」

うん、そう。
自分にそう言い聞かせ、ソファーに座り込む。きっと帰ってくる。その辺の、商店街に行ってるんだ。すぐに、帰ってくる。


余裕なんてないくせに
(すぐに、「迷子になっちゃいました」なんて笑って帰ってくるんだ。)