我が家になまえちゃんが来て、数日たった。
俺は相変わらずなまえちゃんの笑顔に夢中で、今だってなまえちゃんの笑顔を見るために朝食に腕を振るっている。

普段一人暮らしなら絶対に作らないと言うくらい豪華な朝食を、綺麗な皿に綺麗に盛り付ける。
そして、フォークとナイフを持ってワクワクしているなまえちゃんの前に置いた。

「どうぞ」
「ひゃー!おいしそう!頂きます!」

パッっと顔を輝かせ、手を合わせてから食材に手を着けていく。
パクパクと美味しそうにそれを消費していくなまえちゃんを眺めていると、「そういえば」となまえちゃんは話題を切り出した

「フランシスさんはお幾つなんですか?」
「え?」
「いや、若そうなのにお金持ちそうだし、日本語ペラペラだし…」
「んー、俺はねぇ…26。日本語が喋れるのは知り合いに日本人がいるんだよねー」
「へぇー若いのに凄いですね!その知り合いの人も凄く日本語の教え方が上手いんですね!」
「そうだね」

なまえちゃんはへえー、ふうーん、と言ったあと、また朝食を食べ出した。


「ねぇなまえちゃん、朝ごはんたべたら今日は美術館に行こうか」
「ん!まじですか!?」
「うん、今凄く綺麗な絵が展示されてるよ」
そう言うと、なまえちゃんは「うわー早くいきたい!」と朝食を食べるのにラストスパートをかけた。


そんな君はしらない
(俺は日本語なんて話せない事)
(俺がフランスという国という事)