「あれ、今何時だ?」

ハッと起きて、時計を探す。が無い。
可笑しいな、昨日はちゃんと枕元にあったぞ?


「どこ行った時計…」


とモソモソ布団の中で動くと、コツンと何かが手にあった。
時計か?と思って見てみると、残念ながら時計ではなくて、イヴァンさんの頭だった。
って、ええっ!?イヴァンさんの頭!?いやいや何でイヴァンさんがこんなところに居るの!?ええっ!?


「ワッツ?いや、ワイ?」

なぜだ!?何故にイヴァンさんが私のベッドに居るんだ?
昨日何したっけ?


「思い出せー………あっ!」

そうだ夜にイヴァンさんがいきなり来て、「昼寝しちゃって寝れねーから眠たくなるまで相手しろ」みたいな事言ってきたんだ!
で、色々してたらいつの間にか寝ちゃってこうなったわけね!はいはいはい!

「うっはぁー!何てこったい!」

イヴァンさんの隣で寝るなんて!
な、何だか呪われそうだなちょいと!
ロシアの皇帝に呪われなきゃいいけど…


「いや、それよりも時計は何処にいった」

時計を探すためにベッドから降りる。
もちろんイヴァンさんを起こさないようにそーっと(いや、なんだか起こすと怖そうだから)行こうとしたら、何かをゴリッと踏んでしまった。


「ッイー…!!!???アッ…ウッ!!ウー!!!」

声にならない叫びを発して、しばらく足を押さえて悶えてから、体制を立て直し、踏んでしまった物を確認する。
なんと、それは探していた時計さんでした。


「チクショー、なんでこんなとこにあるんだコラー!」


痛いじゃないかバカ野郎!と半分泣きながら時計を確認した。

「ワォ!12時34分!学校遅刻とかそんなレベルじゃねーなぁ!」

皆もう昼飯食ってるよ!
ハハハハと笑ってみるが、笑い終わると虚しさだけが残った。

「いやいやいや…なんで!?何で時計がこんなところにあんの!?つーか何で鳴らなかったの!?なんか色々謎…ぐぼふっ!!」

うふぁ!変な声出た!ってか首が絞まってるよ!


「さっきから煩いよ〜」
「ギブギブギブギブ…」


私の首を締めているイヴァンの腕をバンバン叩くと、いや、バンバンバシバシドカドカと(解らないとか言わないの!)叩くと、やっと緩められた。

「はー!死ぬかと思った!」
「うふふ良かったね」
「良くない!あぁごめんなさいごめんなさい!」


ああ!怖いの見ちゃった!イヴァンさんの後ろに怖いの見ちゃった!


「うーん、イヴァンさんも怖いけど、なぜ目覚まし時計がこんな遠くに転がってたんだ…
はっ!まさか幽霊…とか!?」
「あ、それ煩かったから僕投げ飛ばしちゃった」
「………、あんたか!」



(学校無断欠席しちゃったよ!)
(良かったね)
(良くないよ!)
(コルコルコルコルコル…)
(あひぃ!スミマセン!!!)