「ちょと買い物にいってくる」とウェスカーさんが家を出て行ったのは三時間ほど前。
私はペットのハナちゃん(あの触手である)を横にしたがえ、バラエティを見ていた。

ハナちゃんは、なんと言うか、なれるとなかなか可愛い。
甘えてくるし、洗濯カゴを持ってくるとか、そんな簡単な手伝ならしてくれるし、はっきりいってウェスカーさんより役にたつ。

ペットと過ごす平和な人ときって、ほんと、おちつk
「なまえーーーーーー!」

カムバック マイ スイートタイム…!!

「なまえ!」
「はいなんでしょう役立たず。あ、間違った、なんでしょうグラサン」
「おい、言い直してるけど間違ってるぞ」

なんと、ウェスカーさんのクセにツッコミができるのか!
と言えば「元神になる男だからな!」と威張った。

「で、なんでしょうか?」
「某掲示板を見ていたら興味深い話を見つけてだな、なんと日本にはポッキーゲームとか言うポッキーを2人で端から食べていくというロマンあふれるゲームがあるらしいじゃn」
「いやぜんっぜん知らないっすわー、そんなゲーム微塵もしらばいっすわー!ってことで私ちょっと洗濯物が気になるので…」
「ふふふ、そんなに恥ずかしがらなくともいいんだぞ。知らなくとも私が手取り足取り身体とり教えてやる」

つつつぅっと指で私の背筋を撫でるウェスカーさん。ぞわりと肌が泡立つ。
身の危険を感じた私は、大きな声で「ハナちゃん!」と叫んだ

ガブリ

「え?」

ウェスカーさんの間抜けな声が部屋に響く。
そしてすぐにギャアアアという叫び声を上げた。

「ちょ、なんだお前は!」
「ふふふ、ウェスカーさんが作ったペットですよ!どうですか飼い犬に噛まれる気分は」
「コイツ犬なのか!?」
「え、そこ聞きます?」

ガジガジとハナちゃんに頭をかじられるウェスカーさん。
ぷぷ、なんともマヌケ。
ウェスカーさんはハナちゃんに「離せ!」やら「主人にたてつくな」やらと言っているが、ハナちゃんの世話をしているのは私である。

「フハハハ!ウェスカーさん ハナちゃんはすでに私の見方です!よってウェスカーさんの言うことは聞かないのですざまぁ!さあハナちゃんウェスカーさんに関節技かけちゃって!」
「なまえ!何が不満なんだイタタ!私はただお前とポッキーゲームが、あ、ちょっとやめてくれ腰が!腰がいく!!」
「セクハラしないって誓ってくれたら離しますけど」
「そ、それはむ…アーーッ!しない!しないから腰だけはやめてくれ!!」
「…仕方ないですね。ハナちゃん、離してもいいよ」

ぐぎゅううううと唸り、しぶしぶとした感じでウェスカーさんの頭から口を離すハナちゃん。(あ、ウェスカーさん血がでてる。まあいいか)

「が、しかし!ポッキーゲームはセクハラでは無くれっきとしたスキンシップなので問題はないだろう!折角買ってきたんだ、しなければポッキーも無念だろう、さあ!」

バッ!と何処から何かを取り出し私に突きつけるウェスカーさん。
しつこい!と殴ろうとしてはた、とそれに気づいた。

「……」
「さあ!」
「……」
「さあ!」
「節子、それポッキーやない。トッポや…」
「……、うっそだー」

ポッキーだと思ったらトッポだった件について
(まあ、長ければできるだろう!)
(ハナちゃぁああぁあああぁん!)
(私が悪かった。謝ろう)