さて、本日は2月14日。
バレンタインデー。
ここ最近は、ワイドショーやバラエティでずっとバレンタインのチョコ特集とか、手作りのチョコスーツ特集とか、そんなのばっかりやってるから、ふと作りたくなって、近所のスーパーに行って大量のチョコを買ってきた。

すると、リビングにいたレオンが、なんだそれみたいな顔をするから、私はにっこりわらってキッチンへと入った。

エプロンをつけて、買ってきたチョコレートをガンガン刻む。
それを湯煎にかけて、生クリームを入れて、まぜてとしていると、やっぱり気になるのか、レオンがひょっこりキッチンを覗いた。


「いいにおいがする」
「生チョコ作ってるんだー」
「へぇ、俺の分もあるのか?」
「え、ないよ」
「なっ!」

いじわるをすれば、レオンが真面目に残念そうな顔をするので、私はケラケラ笑いながら、溶かしたチョコレートを指にすくって、べちょっとレオンの顔につけた。
「嘘だよちゃんとあるよ」と笑って言えば、レオンはちょっと顔をしかめて、私がつけたチョコレートをぬぐって舐めた。

「ん、うまい」
「でっしょー!まぁ、溶かして生クリーム入れただけだけど」
「ふーん」
「さ、あとはトレイに入れてひや……うわっ!」


いきなりのことに、何をされたのかわからなかったが、顔に生暖かい感覚がする。
そして目の前のレオンは意地悪な顔をして、チョコレートのついた手をひらひらとさせていた。もしやチョコレートを私の顔につけたのか!?

「なにしてんの!?」
「まあ、仕返しさ」
「意味わかんないんですけど!」

そんなことされて黙ってられるか!と私もまたチョコレートをびっちゃっとレオンの頬につける。するとまたレオンが私につける。
子供のようなそんなやり取りを2人でゲラゲラ笑いならがしていると、ふと我に返ったとき、もう二人ともチョコレートまみれだった。

「ぶっ!レオンの顔おかしい!」
「なまえも人のこと言えない顔してるぞ」
「うわぁ女の子にそういうこと言っちゃう?」
「じゃあ可愛く黙ってたらどうだ?」
「なっ……んっ!」

ぐいっと体を寄せられ、レオンの唇で私の唇がふさがれる。
びっくりしている間に、ぬるりとレオンの舌が私の口内に侵入してきて、ぬるぬるとかき回す。
「んっ、ふ……んんっ」
「っ……ふ」
「っあ、…あっまぁ」
「チョコレート、すごいな」
「んっ」

レオンがそばにあったチョコレートのはいったボウルと手繰り寄せ、指にまたそれをつけて、私の口につっこんだ。すんごい甘い。


「れお……、それ、も」
「ん……、すごい、そそる……」
「っ、んんっ、ふっ」


レオンさん、あなたそういうプレイ目覚めたんですか。

「っふあ、ていうか、チョコ……ってあーーーー!!」
「っなんだ!?」
「チョコレート……ほとんどなくなってる!!!!」
「あ」
「ッッ!!レオンッッッ!!」
「あ、いや、すまなかった。本当に」

キスよりさきに
(チョコを作ろう。これ、来年からの教訓)