落乱×魔法

ハリポタ→落乱にトリップ
平凡だけど最強()な主人公

日本人のマグル生まれ。4年生でグリフィンドール。
ハリー達とはまあクラスメイトで仲がいいかなという感じ。
一時期酷い厨二病にかかり、その時に杖を使う魔法を勉強しまくったおかげでその腕前はハーマイオニーよりも上。でも筆記系はまるでだめ。
本人曰く、厨二病は完治したらしいが、時々ぶりかえす。
魔法薬学は下手くそ。でも下手な自覚が無いから最悪。


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「君は何度言えばまともな魔法薬が作れるのかね?」

グツグツとショッキングピンク色に煮立つ私の鍋を見て嫌味にそう言ってくるのは魔法薬学の先生、
セブルス・スネイプ教授。
私は「うーん」と首をひねり、腕を組む。

「教科書通りいれてるんですけどねぇ??教科書がおかしいんじゃないですか?」
「馬鹿者!!」
「あー!耳元で叫ばないでくださいよ!」

キーン!と鳴る耳を両手で抑えて縮こまる。そしてちらりと自分の隣に座ってるネビルを見ると、自分が怒られているわけでも無いのに真っ青な顔をして泣きそうになっている。

「うーん、これに何を入れればモスグリーンになるのかなー?あ、トカゲのしっぽ?」
「このばッ…!」
「あ」

ぽちゃん、と私のつまんだトカゲのしっぽが鍋に入った瞬間、ぶわっと鍋から煙が噴き出した。
しまったまたやってしまった!

「げほっ!げほっ!なんだこれっ!げほっ!!」

魔法薬学の授業のたんびにこうして煙を出したり何かを破裂させるのは恒例の事で、そして毎回教授に怒鳴られるのだ。
片手で鼻と口を抑え、げほげほむせながら煙の中から抜け出だす。
それからすぐに、「スネイプ教授ごめんなさい!居残りだけはご勘弁をー!」と地面に頭をつけて土下座するが、いつもならすぐにくる怒鳴り声が来ない
はて、おかしいな?と思い顔を挙げると、教授はいなかった。いや、それどころか一緒に授業を受けていたグリフィンドール生やスリザリン生も。誰一人周りに誰もいなかった。もう一ついうと、そこはさっきまで居たはずの薄暗い地下の魔法薬学の教室ではなく、清々しいほどの青空が広がる広い野原だった。

「は、はれぇ?」


何でこんなとこにいるんでしょうか?てかどこだよここ。校庭でもなさげですけど…まさか、
「円環の理にみちびかれ…いや違うか」

もしかしたらいい加減にしろとスネイプ教授に魔法でどっかにぶっ飛ばされたのかもしれない。
反省するまで返しません。みたいな。
いや、それはありえ、

「るかもしれない」

だってあのスネイプ教授だし。うん、スネイプ教授だし。
という事はここで試されるのは私の反省の意でしょうか。ええ、わかりました!わかりましたとも教授!

「毎度毎度薬を爆発させたりそのたもろもろ反省しております!これからは薬がショッキングピンクになったらトカゲのしっぽは入れません!すみませんでしたァア!」

ザッと素早く正座、そして地面に頭をつけて叫ぶ。
見よこのジャパニーズスタイル正座を。これで教授も文句はないはず!とドヤ顔で顔をあげる。けどやっぱり変わらず広がるのは野原で、

「あれー?教授ー?まだ足りないんですかー?」

もう許してくれたっていいじゃないですかー、と文句を垂れながら野原をうろうろ歩き回り、それから「隠れてニヤニヤしてるんですか?」と草木が生い茂る林へと足を踏み入れた。

まあしかし、ほんとうにここは何処なんだろうか。どうも学校の敷地内ではなさそうだ。
しばらくフラフラと林の中を歩き回っていると、ザン!バキバキ!と頭上から木の枝が折れるような音がして、それから何かが目の前に落ちてきた。

「なっ!」

いや、何か、と言うより人だ。人間の男の人が上から木の枝を突っ切って落ちてきたのだ。一瞬教授かと思ったが、違う。なぜならその人は教授より一回りも細くて、緑の服を着ていたから。(スネイプ教授は緑なんて着ない。)
呆気に取られてしばらくその落ちて来た人を見つめていると、もぞりと動いた。「うっ」と小さなうめき声を挙げて立ち上がろうとしている。少し年上だろうか。よく見れば、服は土で汚れ、所々破れて、さらには赤く染まっているところもある。
怪我をしてるんだ、とすぐにわかった。これは、助けた方が良いんだろうか。いや、良いに決まってる。

私は「あの、」と声かけつつ一歩近づく。その時、
シュンと私の顔のすぐ横を何かが飛んで行った。
思わず「へ?」と間抜けな声が出る。なに、今の?

「近づくな!次は当てる!」

落ちてきた人がギラリとこちらを睨み、そう言った。どうやらさっきのは彼が投げたらしい。
え、えー?私何かした?
ていうか

「に、ニンジャ……?」

頭に布を巻いて服は着物のようなもので、靴じゃなくて足袋を履いていて…、そう、彼の格好は、まるで忍者のように見えた。
忍者ってお前、どっかの昔話か、と言いたくなるが、いやでもおとぎ話の中の話だと思っていた魔法もあるのだから、忍者だって居てもおかしくないのかもしれない。

「その、私は怪しいものではなくてですね、その、ただの迷子、じゃないけどまあ迷子というかなんというか」
「………」
「その、ここどこかなーと思って。ていうかお兄さん大丈夫ですか?」

私を睨み続けているお兄さんに、「私は人畜無害なただの女の子ですよ」という旨を伝えつつ、様子を伺うと「君は…」と何か言おうとした。その瞬間、またシュン!と何かが飛んできた。今度はお兄さんが投げたんじゃない。後ろから飛んできた。

「な、なに?」
「ッチ、追っ手か」
「お、追っ手!?お兄さん誰かに追われてるの!?」
「ああ、だから君がもし本当に何も関係のない一般人ならば、さっさと逃げたほうが…」

お兄さんが全てを言い終わるその前に「仲間と最終の挨拶はすましたか?」と声が聞こえた。はっと振り向けば、お兄さんと色は違うが同じく忍者のような格好をした男が三人立っている。私はあんぐり口を開けた。

「さあ、密書を返してもらおう」
「おとなしく返すとでも?」
「まあ、思ってもないが」

お兄さんと男達が私を挟んでそんな会話をする。
え、私、関係無いのでちょっと席外してもいいかな?そう思って少し後ずさりすれば「おっと、逃がすと思うか?」と男が私の足もに何かを投げた。あ、手裏剣だ。

「どういうことだってばよ」

なんて、某忍者漫画の主人公の口調を真似して呟く。
呆然としていると、男達のうちの一人がスラリと刀を抜いて構えた。
わあこりゃやっべーわ。

「あの人たちはお兄さんの敵なんですよね?」
「え、あ、ああ…」
「このままじゃ、やばいですよね」
「そうだな…、しかし隙をついて私が…」
「ぶっ飛ばしてもいいですか」
「え?君にそんな事が出来るのかい…?」
「本当はダメだけど、このままやられるくらいなら…」

すっと私はスカートのポケットへと手をのばす。そしてポケットの中のものをギュッと握った。
「終わりだ!」と男が刀を振りかざし、向かってくる。

「もしかして君はくの……」
「ステューピファイ!」

パァンと音がして、赤い閃光が弾け、男が吹っ飛ぶ。残りの二人は何が起こったのか分からず立ち尽くしているが、構わず杖を振り、同じ呪文を再度唱える。
男達は吹っ飛んで、動かなくなった。
最後に"インカーセラス"で縛って転がし、忘却呪文をかけて今の出来事をすっかり忘れさせる。

「ふー!いっちょあがり」
「なっ、何を…」

ポカンとして信じられないという風にそう尋ねるお兄さんに「あ、大丈夫死んでないですよ。ただ失神してるだけです」とフォローをいれる。が、そんな事は耳に入っていないようだ。

「君は、一体……一体、なんなんだ…?」
「ん、そうですね、魔女、いや、魔法少女とでも言っておきましょう!」


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つづ、く?のか?

すごく長くなったなぁ、でもネタメモネタメモ。
お兄さんは利吉さんのつもりで書いたけど、なんか仙蔵でもいけそう。