「ベルー、コーヒーいれたんだけどいる?」
「いる」
なまえがコーヒーカップを二つ持ってきた。カップをテーブルに置き隣にすとん、と座ってベル、なんて腰に抱きついてくる。ししっ、ちょー可愛くて本読めねー。もとより読んでねーけど。
「お砂糖どこだっけ。あれないと死んじゃう」
「死なねーだろ。三番目の棚ん中じゃね」
「んー、見てくる」
すすす、と離れて砂糖探しに行くなまえ。まあアイツは甘党のおこちゃまだからブラックは早いだろうな。...ん、にっが。でもここが美味しいんだよな。王子オトナだし。
「あったー!」
「おさとっ、おさとっ」
砂糖の入ってる瓶を抱えながらちょー上機嫌な感じのなまえ。また俺の隣に座り砂糖の蓋を開けてスプーンですくった。
コーヒーに砂糖を一杯、二杯、三杯、四杯、五杯、....多くね。重症化してんじゃん。
そこにあったのはコーヒーに飽和してる砂糖。キメー。
「あ。ベル今きめーとか思ったでしょ」
「ししっ、思わねー方が可笑しいだろ」
「いいもん。これが一番美味しいの」
ずず、と飲んで幸せーなんて頬を緩ませるなまえ。砂糖だらけのどろっどろに甘いコーヒーの何がいいんだか。
...ん? どろっどろ、甘い?
王子いいこと考えちゃった。
「なまえ、それ一口頂戴」
「んっ、いいよー」
サンキュ、と受け取ってそれを口に含む。うえっ、どろどろに甘すぎんだろこれ。
なまえの顎を掴み此方を向かせ口付けをする。吃驚して目を見開くなまえをよそになまえの口を舌でこじあけ砂糖コーヒーを流し込ませる。舌を絡めて長く甘いキスをし、口を離した。うしししっ、なまえ顔真っ赤。
「お前甘いの好きなんだろ? これも甘いからいいだろ」
「っ、べるのへんたいっ」
でも、と目を伏せるなまえ。顔赤くしてもじもじしてるとか何コイツめっちゃかわいいんだけど。
「あ、のねベル...」
「...?」
「も、....もう一回、きすしてほしいなぁ、なんて...」
なまえは涙目になっていて小首を傾げた。...やば、今のキタかもしんね。俺の理性はいともたやすく吹っ飛びなまえをソファに押し倒して彼女の要望通りいーっぱいキスしてやった。
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