※学パロ

さらさら揺れる緩く結わいてある三つ編み。眼鏡の奥の彼女の瞳はミーじゃなくてプリントの束を見つめている。すらすらとプリントに走る彼女の字はどこか癖があるが読みやすく、なんとも彼女らしい字。

ずずず、とイチゴミルクを飲み頬杖をつきながら目の前の彼女、なまえを見つめる。
ミーの視線に気づいたのか少し困ったように、なまえは照れて、

「フラン、私の顔に何かついてる...?」

「いや、何もついてないですよー。ただ可愛いなーって見てるだけですのでー、お構いなくー」

そういえば彼女は顔を真っ赤にしてからかわないで。と目を逸らした。ああ可愛い。

「...というかフラン。仕事やってよ、学級委員でしょう?」

「ミーが書くと汚くなるんでー。まとめるくらいならしますよー」

机の左に寄せてある彼女の字が載っているプリントの束にぱちぱちとホチキスをつける。あ、ちょっとずれちゃいましたー。

本当は学級委員なんてやりたくなかった。あのアホのロン毛教師が女子はなまえがやるから男子はお前がやれ、だのなんだの言われしぶしぶ了承した。
元々なまえのことは気になっていたし、一緒でラッキーとか思いましたしー。

思ったより仕事は大変ではなく(ほぼなまえがやってるだけなんですけど)なまえと喋る機会も増えて本当にラッキーと感じた。

「フラン、フラン」

ぼう、っとしていたミーはなまえの声に気がつき何ですかーと見る。眼鏡の奥のまんまるな目が心配そうになっていて、

「呼んでも気づいてなかったみたいだけど...大丈夫?ごめんね、仕事早く終わらせるよ」

「大丈夫ですー、ぼーっとしていただけですのでー。...いや、ミーが仕事していないからですよねー、こちらこそすみませんー」

ずずず、とイチゴミルクを潰す。なまえは「ううん、私も頑張って終わらせるから」と残り数枚のプリントに再度手をつける。

勇気を出して、一緒に帰ろうと言ってみようか。

プリントをぱちぱちととめながらそんなことを考えた午後4:30。

ある意味ミーを学級委員にしてくれたロン毛教師に感謝ですー。


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