「...君、こんなところで何してるの。今は授業中のはずだけど」

時は10:50分近く。雲雀恭弥はいつものように屋上に向かうとそこには女がいた。 雲雀が声をかけても何の返事も反応もしない。それが癪に障りトンファーを構え彼女の近くに行くと彼女はどうやら音楽を聞いていたようでイヤホンがささっていた。(校則違反なんだけど)
どうりで聞こえないわけだ。と思いながらも溜息をつき、女の肩をぽんと叩くと彼女はイヤホンを外しこちらを向き、きょとんとした顔をしていた。

「...ん? あり、雲雀サン? 何やってんすか授業中っすよ今」

「その言葉きっちり君に返してあげるよ」

じ、と彼女を見る。彼女は確かなまえ、イタリアから来たんだっけ。
制服の下に淡い桃色のうさ耳フードのパーカー、音楽プレイヤーの持ち込み、派手すぎるヘアピン(一瞬キャンディが頭にくっついてるのかと思ったよ)、許されていない長さのボーダー柄の靴下....。彼女は校則違反をしすぎている、ありえないほどに。

「ねえ君、....その身なりほとんど校則違反なんだけど、咬み殺されたいの?」

「まさか。これがアタシのスタイルだしやめる気もないよ。ていうかガッコーに武器持ち込んでて授業大体サボってる風紀委員長に言われたくないっすね」

へらへらと笑いながらも毒を吐くなまえ。...この僕に喧嘩を売る並中生、ましてや女子は初めてみたかもしれない。でも校則違反は事実。取り締まらなければ風紀が乱れてしまう。再度トンファーを構えて彼女をき、と睨む。

「二度と喋れないようにしてあげるよ」

「やっだ〜風紀委員長サマ(笑)暴力は反対っすよ〜」

なまえはそんなフザけたことを言うとすたこらと走った。僕もその後を追う。不意に彼女が屋上の扉の前で止まり、こちらを向く。なんだろう、と思い見ていると満面の笑みで彼女は両手の中指を立て舌を出した。

「....!咬み殺す....」

「きゃーこわーい(棒)」

その後放課後まで続く壮大な鬼ごっこが繰り広げられたという...。


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