再不斬は死んでない。


タズナさんの家に行った数時間後カカシ先生が目を覚ました。話を聞くと1週間ほど動けないらしい。そして、今の話の話題は再不斬を倒したことから抜け忍の末路になっていた。

「カカシ先生」
原作通りならそうだけど、そうとも違わない可能性はある。だけど疑わない手はない。そう思い私はカカシ先生にずっと気になってたことを話すことにした。

「ん?どうしたセツナ?」

「再不斬って…本当に死んだんですかね?」

「「!?」」
セツナのその言葉にタズナとサクラは顔をあんぐりさせ、ナルトとカカシは「あー、やっぱり?」という表情をし、サスケは疑問を抱いている。

「どういうことだ?」
考えても分からなかったのかサスケはセツナに問う。

「…死体処理班っていうのは大体その場…つまり殺したもの死体を現場でを処理する。だけどあの追い忍は自分より大きい再不斬を背負って私達の前から姿を消した。一番私が問題と思うのは追い忍が再不斬を殺した武器…千本だよ」
私がそう言い終えるとサスケは気づいたのか、「…まさか……」と言い表情は苦しかった。

「そのまさかだと思うだよねー」
私は目を細めて、ふぅと溜息をついた。そして、ずっと聞いていたタズナとサクラがしびれを切らしたのか「意味が分からない」と言うように話す。

「お前たち、さっきから何をグチグチ言っておるんじゃ…!?」

「そうよ!!勝手に話を進めないでよ!!!」
サクラもタズナの意見に賛同するように言う。カカシ先生は状況が把握できていない二人に説明を始める。

「セツナの言う通り、死体処理班っていうのは殺した者の死体はすぐその場で処理するものだ」

「それがなんなの?」

「分からないか?あの仮面の少年は再不斬の死体をどうやって処理した?」
分かっていないサクラにカカシは質問をする。まぁ、要するにたまには自分の頭で考えろってことだよ。

「は?そんなの知らないわよ!!だって死体はあの仮面の少年が持って帰ったのよ!?」

「ソレ。ソレが問題なんだってばよ」
ずっと黙っていたナルトは口を開いた。話が進まないのでイライラするからだろう。正直自分もちょっとイラッとしていた← てかサスケ、ムカつくのはわかるけどそんな不憫な顔で腕組んで畳に指を叩くな。
サクラはサスケに好意抱いてるんだから傷つくよ?

「はぁ!?何が問題なのよ!!」
はい、サクラの逆切れ頂きましたー。

「殺した証拠なら首をかっさらっていった方がいいだろ?死んだ方法はすぐ分かるし、荷物も軽くて済むんだから」

「?」
ナルトの説明で余計に意味が分からなくなったのかサクラは首をかしげる。…はぁしょうがないな…

「サクラ、大ヒントあげる。追い忍の少年が再不斬を殺した武器、あれは千本と言って急所にも当たらない限りかなり殺傷能力が低い。ていうか暗殺で武器としては使わず、ツボ治療などの医療関係に使われることが多いんだよ。ちなみに千本が刺さってたあの場所は仮死状態にできるツボだよ」
人質を眠らすとかにも結構使うけど、と私は付け足した。…さすがにここまで言ったら分かってもらわなきゃ困る。

「え…じゃ、じゃあ!再不斬は…」
とサクラは分かったようで表情がかなり汗ばんでいる。

「そういうこと。自分よりも重い再不斬の死体をわざわざ持って帰ったことと、殺傷能力が低い武器千本を使ったことから導き出される結論は…あの追い忍は再不斬を助けに来たんだよ」
言い終わると同時に部屋が緊張感であふれた。カカシ先生も同意見のようで何も言わなかった。というより別の考えをしていた。

「(…どういうことだ?確かにセツナの意見は正しい。そう考えるのも忍の鉄則だ…だがついこの間下忍になったコイツが何故死体処理班のことを知っている?再不斬の首に刺さっていた場所に何故仮死状態のツボがあると知っていた?……ただの優秀なアカデミー卒業生のレベルじゃないぞ!ナルトも何も疑問を持たなかった…これは里に帰ったら三代目に報告と調べる必要がありそうだな…)」
とカカシはセツナとナルトを見て思っていた。

「ま!再不斬が生きてるにせよ死んでるにせよガトーの手下にさらに強力な忍がいないとも限らん…お前たちに修行を課す!!」
カカシは私達の顔を見て言った。それに対してサクラが反論する。

「えっ!…修行って…!!カカシ先生!!私たちがちょっと修行したくらいでたかが知れてるわよ!!相手は写輪眼の先生が苦戦するほどの相手よ!!(私達を殺す気か――――!)」
最後にボソッと「セツナとナルトならいけるかもしれないけど…」と言ったが。

「サクラ…確かにセツナとナルトは大活躍だった。…だが十分お前らも伸びてるよ。とは言ってもオレが回復するまでの間だけどな…そこの二人は置いといて、いくらなんでもお前らにはまだ早い」
カカシ先生ェ…物扱い止めてほしいんだけどな。

「でも先生!!再不斬が生きているとしても、いつまた襲ってくるかもしれないのに修行だなんて…」

「その点についてだが…いったん仮死状態になった人間が元通りの体になるまで、かなりの時間がかかることは間違いない」

「その間に修行ってわけか…」
カカシの言葉にサスケは納得したように言う。

「修行なんて無駄だよ…」
突如部屋に少年の声がした。皆して振り返るとそこには幼い少年がいた。

「おおイナリ!!どこへ行ってたんじゃ!!」

「お帰り…じいちゃん…」
両手を広げているタズナの元へイナリと呼ばれた少年は行く。どうやら孫みたいだ。そこにタズナさんの娘であるツナミさんが両手を腰に当てて注意する。

「イナリちゃんとご挨拶しなさい!!おじいちゃんを護衛してくれた忍者さん達だよ!」
娘のツナミさんがそう言うと、タズナさんは「いいんじゃ」と言い側に来たイナリの頭を撫でる。いや、よくねーよ!ていうかもしかしてタズナさん孫には弱い感じ!?
イナリはタズナさんにくっついたまま私達を見て言った

「母ちゃん…コイツら死ぬよ…」
不吉なこと言うんだね〜…

「ガトーに刃向かって勝てる訳ないんだよ」
イナリの言葉にタズナさんとカカシ先生は黙ってイナリを見る。最初から諦めてるのは私嫌だなぁ…そう思っているとナルトが口を開いた

「何で最初から諦めてんだよ?」
そう言った。ナルトは確かに最初弱かったけど諦めずに努力したから今のナルトがいる。そーいうとこ見て黙っていらなれないんだろうなーと私は思った。

「修行したって無駄だからだよ…死にたくないなら早く帰った方がいいよ…」
そう言ってイナリは部屋を出て行った。私はナルトに声をかけた。

「ナルト、子供の戯言を本気にしたらダメだよ」
一応そう言って置く。お前の国滅ぶんで、じいちゃん死んでもいいんだったら帰るけど?と若干思ったりしたセツナ。

「あぁ分かってるってばよ」
そう言いナルトは立ち上がった。

「ちょ、ちょっと!ナルトどこ行くの!?」
サクラは慌ててナルトに声をかける

「今から修行するんだろ?その前に練習したい事あるから先行ってやっておく」
そう吐き捨てるとナルトは部屋から出て行った。

「ちょ、ナルト!セツナも止めなくていいの!?」
サクラは振替って私に聞く

「いいんじゃない?別に。それにナルトの場所なら私達、互いにクナイを交換しあってるから大丈夫だし」
と飛雷神の術の時に使う特殊クナイを私はホルダーから取り出して見せた。

「じゃあ私も先行ってるね」
私もそう言って部屋を出て行き、タズナさんの家を後にしたのだった。


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