最悪の依頼人


あの演習から数週間経ったある日、火影室ではある鳴き声が響いていた。

「ニャ――――――――――――――!!」
火の国大名の妻マダムしじみの愛猫、トラが嫌そうに鳴き声をあげた。そう、セツナたち第七班はこの愛猫トラが脱走したので捕まえてくれと言うマダムしじみの依頼を受けて探したので無事依頼終了なのだが…感動の再会であるマダムしじみとトラの抱擁にトラは先ほどの鳴き声をあげた…ということだ。

「…姉ちゃん」

「…セツナ」
上からナルトとサクラはそっとセツナを見る。そう脱走したトラを見つけて嫌がるトラを赤いハバネロの化身を見せて第七班が引くほど無理矢理ここに連れて来たのはほかでもないセツナだ。

「ん?任務だからしょうがないじゃん。まぁ、けどトラの短い幸せを奪ったことは謝っておくね。ゴメン、トラ強く生きろ」
とセツナはにっこり微笑んでトラに手を振った。トラは『助けてえええええええええええええ!』というような目でセツナやナルト、サクラや第七班のメンバーを見たがセツナはにっこり笑ったままでナルトとサクラは申し訳なさそうに見てサスケは視線をそらして、カカシは無視して”イチャイチャバイオレンス”を熟読していた。その本焼くぞコラ。

「…さて!カカシ隊第七班の次の任務はと…ん―――――――老中様のぼっちゃんの子守りに隣町でのおつかいイモほりの手伝いか……」
と三代目は何も見なかったことにして任務の内容を読み上げていくが…

「よし、じゃあ張り切って行く訳ないってばね!!!何ですか!私らは|万事屋《よろずや》か!?スケ●ト団か!?」
と私はついにノリツッコミをして本性を少しさらしてしまった。サクラとサスケ、カカシは少し驚いてたけど私はこういう奴だ。慣れろ。

「姉ちゃんの言う通りだってばよ!確かにオレら新米だけどいくらなんでももう嫌だってばよ!」
とナルトも言う。ホント嫌!こんなんだったら暗部で仕事する方が楽しいよ!って、まぁ昨日出動したけどね★イライラしてたのかマジで気づいたら山賊10人殺ってたよ♪そんで三代目ちょっと焦ってたよ

「馬鹿やろ―――――――――――!!!いいか!?任務ってもんは上からA、B(ry」
とイルカ先生のありがたい任務説明が始まった。いや、私知ってるので聞き流します。つーか昨日の暗部の仕事も一応Sランクだったんだけど一人で出動して1時間で終わったし!今までツーマンセルでイタチと組んでたけどもういないし…今思えばイタチとの任務は楽しかったなぁ………どんな大人数相手でも写輪眼あったし、尋問楽しかったし、団子うまかったし…。

「ってセツナ聞いてるのか!?」
とイルカ先生は私に問う。

「ん?聞いてましたよ?下忍になったばかりだからDランクがせいぜいいいとこ…ですよね?」
と私は聞き返した。イルカ先生は何も言わなかったから図星かな?一応聞いてはいるよ。

「じいちゃん、イルカ先生!私らの心配してくれてるのはありがたいけど一応私も忍の自覚持ってやってます。慢心なんてしてませんのでCランクの任務受けさせてくれませんか?」
と私は三代目こと私とナルトの育て親であるじいちゃんとイルカ先生に言った。

「オレもだってばよ!じいちゃん、イルカ先生!姉ちゃんとの修行だって毎日やってるし、ちゃんと忍の自覚も持ってるだからCランクの任務受けさせてくれってばよ!」
とナルトも真剣に言った

「ちょっと!セツナ、ナルト!三代目様にじいちゃんって失礼でしょ!!!」
とサクラは注意する、けど育ての親が三代目と知ってからもずっとこの愛称で呼んできたから今更変えるつもりはない。暗部の仕事以外では。

「…分かった。お前らがそこまで言うのならCランクの任務をやってもらおう…ある人物の護衛だ(ふふ、アカデミーの授業を抜けてきたこいつらが…まぁSランク経験者がカカシとセツナの二人がおれば大丈夫か…)」
そして、じいちゃんが「入ってきてもらえますかな…」と言うと扉は開いた。
その人は…昼間から酒飲んでる大工のじーさん…。

「なんだァ?超ガキばっかじゃねーかよ!……とくにそこの一番ちっこい金髪、お前芸能界の奴みてーな顔してんな?強いのかァ?あと、横のピンク髪の女、アイドルのおっかけみてーだァ!大丈夫かァ?」
とじーさんは言った。

「おいコラじーさん…誰がちっこいって?」
とナルトは笑って言うが、私直伝の黒い笑顔で威圧感のある声だ。じーさんはその様子を見てびびった。ふ、ざまぁw

「誰がアイドルのおっかけよっ!??(しゃーんなろ!確かにサスケ君のことは好きだけどっ!」
とサクラはうがーっとムキになって言う。タズナはそれを見てさらにびくっとしていた。そしてぼそっと「最近の餓鬼は怖いのぅ…」と言った。アンタが怒らせるからじゃないの?

「わしは橋作りの超名人タズナというもんじゃわい。わしが国に帰って橋を完成させるまでの間命をかけて超護衛してもらう!」
とタズナは言った。…超名人は嘘でしょ?昼から酒飲んでる奴が言うのソレ。








――――そして木ノ葉の里へ入る唯一の門に私らは移動した。
ナルトは今日初めて里の外へ出るからわくわくしてる…ってサクラもサスケも実はしてるな…まぁ、私は暗部で何回も出てるけどね。

「よし、じゃあ出発だってばよ!」
とナルトは額当てを結びなおして真剣な顔をして言った。

「ちょっと!何でナルトが仕切ってんのよっ!(仕切るのはサスケ君よ、しゃーんなろ!」
とサクラはナルトに言った

「…ちょっとは緊張感持った方がいいよ?一応ここ出たからにはいつ何が襲ってきてもおかしくないからさ」
と私は皆に向かって言う。だって今のまんまじゃ遠足気分だよ?今回は確か桃地再不斬が出てくるんだからさ。今の言葉でサクラは図星、サスケは気を引き締めて、ナルトは私の横に来て歩きながら言う

「もちろん分かってるってばよ!」
ナルトはそう言って笑う。

「ん、ならいいよ。」
と私は笑って返す。ナルト本人も気づいてるね…。忍に合えば狙われるのは自分かもしれないし、サスケかもしれないってこと。あと、カカシ先生と私かな?ナルトは人柱力だし、サスケはうちはの生き残り、カカシ先生はビンゴブックで高いと思うし、私も多分ある…緋蛾としてだけどチャクラ感知系だったらチャクラで覚えられてるし…。そうなったらめんどくさいなー…。でも、負ける気はしない!
ナルトもそう思ったのか私とふいに視線が合った。そして互いに笑い合った。

「ちょっと!ナルトとセツナ何笑い合ってんの!?カカシ先生の話聞いてた訳!?」
とサクラは言う

「え?聞いてたよ。だってそんなにすごい三代目…じいちゃんが私らを育ててくれてたって思ったら嬉しくなっちゃったよ」
と私は言う。話は聞いてたよ?暗部7年歴なめんなよ!ってまだ浅いけど。でも、本当に嬉しいのは私らのお父さんが四代目火影でやっぱりカッコイイんだなって実感したこと。

「そうだってばよ!じいちゃん強ェし!やっぱ火影の名前は伊達じゃないって思ってさ!」
とナルトはへへっと笑って言う。今は年で結構ヤバいけど…。それでも殺気は鋭いと思うし殺気に強いと思う。心なしかカカシも笑ってる。



SIDEカカシ

門に来た時、初めて里に出ることにわくわくしているのがナルトとサクラとサスケ…表情には見せなくとも行動が先走ってるし…ってセツナはわくわくしてないのか?と少し思った。セツナの注意の仕方…まるで何回も里を出たことがあるみたいな口ぶりだな…確かに里を出たら何があってもおかしくないが………。
サクラに波の国にも忍がいないかと質問されてそこから五大国の話になり、そして五影の話になった時ナルトとサクラが笑った。…三代目様が育て親だからやはり嬉しいんだな…。話を聞いてもそう思ったが、自己紹介の時ナルトの夢は”里の皆に認められる立派な火影になりたい”だった。そして今もそうだろう。先生の夢と同じだ…容姿も。そう思ってると自然に口元と目元がほこらんで、笑っていた。

が、道を見ると水たまりがあった。…アホか?ここ何日も雨降ってないのに水たまりに化けるとは…霧隠れの忍か?様子を見るとナルトとセツナも気づいたみたいだな。でもあえて言わずに気付かれないように警戒している。その判断は上出来だ、言ったらサクラは混乱するし敵も出てくると思うからな。さて…忍はオレたちを狙っているのか…それともタズナさんを狙っているのか見てみるとしますか。





SIDEセツナ


…馬鹿じゃないの?何でここ何日雨降ってないのに水たまりに化けるとか…。霧隠れの忍かもしれないなぁ…上忍、暗部な訳ないか。せーぜ中忍ってとこかな?原作通りだとタズナを狙ってるよね?気をつけないと…。と私が思った瞬間だった。気配がした。カカシ先生に向かって鎖を投げてそれを二人で交互に引っ張り合いカカシ先生をバラバラにしたが…これは分身。そんな事にアイツらは気づいてないみたいだね。

私はすぐタズナさんの元へ行き、タズナさんの前に立つ。ナルトの後ろに一人行ったけどナルトはソレに気づいてたみたいで後ろに立たれた瞬間肘で相手のお腹の急所を殴り瞬身の術で相手の後ろに移動して、首筋を叩いた。二人目は…タズナさんの所に来たけどサクラの所に来た。鎌でやろうとしてる…サクラはタズナさんの前に立ってクナイを突き刺すけど危ないよ!?鎌アレ毒塗ってるし!私はサクラの前に立ち、鎌を螺旋丸で折る。けど鎌で少し切れたみたいで右腕に一筋血が流れた。けどそんなに痛くないし。そこにサスケが現れて相手を蹴飛ばして終わり。ッチおいしいとこ持っていきやがって…。

「姉ちゃん、大丈夫か?」
とナルトは私の所に来て右腕を指す。サクラは私の跳び血をかぶったのか顔に血しぶきの跡が残っていた。…そんなに重症じゃないけどね

「セツナ、大丈夫か?」
とカカシ先生も現れて言う。…あのね平気だから?サスケも心配そうに見るな、サクラも硬直しないの。

「大丈夫ですよ、血がおおげさに出ただけです」
と私は言って医療忍術で右腕を毒を抜いてその後傷を治した。いや、そんなに重症でもないしこれくらいならすぐ治せるし。

「サクラ?」
と私はサクラに言う。おいおい、血浴びて硬直しすぎ!

「な、何であたしなんか庇ったのよ…!?あのままさっきの技で倒せばよかったじゃない!?」
とサクラは言う。んー、そうしてもよかったけどそうしたら、もしかしたら相手が鎌を離したらサクラにぶっ刺さってたよ?とか思ってるとナルトが言ってくれた。サンキュー。

「とりあえず、皆よくやった。サスケとナルトは敵をよく倒した、サクラとセツナもすぐに護衛人のタズナさんの所に向かった。…タズナさん」
とカカシは言い終わるとタズナさんをチラッと見た。

「な…何じゃ…!」
タズナさんも慌てて聞く

「ちょっとお話があります」
カカシ先生はそう言った。


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