初任務は鈴取り


翌日

セツナとナルトはカカシの忠告を無視して朝飯を食べて、8時待ち合わせを
絶対カカシが遅れてくることを知っていたので10時に集合場所へ行った


「ちょっと!ナルトにセツナ!集合時間は8時よっ!?」

とナルトとセツナが来た瞬間サクラは手を腰に当てて怒った
サスケもカカシが遅くて苛立っているのか、かなりムスッとしている


「え、ゴメン。でも昨日あんなに遅れて来たからまたどーせ遅れてくるかなー?
 って思ってさ。だからある程度遅れて来ようかなーと」
とセツナは、あははといつものにっこり笑顔で悪びれた様子もなく言った。まぁ、その笑顔も作りものなのだが。


「「!!」」
サクラとサスケは「その手があったか!?」みたいなリアクションをしていた


「でも、もしカカシ先生が集合時間通りに来てたらどうするつもりだった訳ぇ?」

とサクラは呆れて言う


「今さっき姉ちゃんが言ったことをそのままバットで打ち返して言うつもりだったてっばよ」
とナルトもけろっという



「…〜!た、確かにそうだけれどもぉ――――!」

とサクラは「どちくしょー!」と言いながら行き場のない怒りを抑えていた
ちなみにサスケもイライラしてるのか丸太に座っていて貧乏ゆすりをし始めた


セツナはそんな二人を置いて、演習場の入り口付近…
慰霊碑に向かってセツナは歩いて行った。ナルトもセツナの行動に気が付いてセツナの後ろを追いかけた。

慰霊碑…ここにはセツナが|緋蛾《あかぎ》として暗部で仕事をしてる時に
殉職してしまったかつてのセツナの仲間の名も刻まれている

そして――――――――――――ここに両親の名前があること。


九喇嘛から教えてもらったのだ。自分たちの両親の名前やミナトがクシナにプロポーズしたことなどセツナも原作で知ってることもあるがさすがに12年立てば忘れることもあるし、九喇嘛しか知らない話もあった。


「姉ちゃん、ここに…」
ナルトは目を少し伏せて慰霊碑を見る


「うん…あ、ここ。ここにある…」
セツナは慰霊碑の”波風ミナト””うずまきクシナ”の所に指をさす


「…父ちゃん、母ちゃん………」
ナルトは慰霊碑をじっと見ていた寂しそうな、切なそうな表情で。


『おい、ナルト、セツナ感傷に浸ってる場合じゃねーぞ。もうカカシが来る』
九喇嘛はテレパシーで二人に言う


「うん、九喇嘛ありがとう。ナルト行こう」
セツナはナルトを見る


「分かってるってばよ!姉ちゃん頑張ろう!」
ナルトは先ほどの表情はどこかに消え去り、今は笑顔だった。


…無理しなくてもいいのにな。とセツナはひっそりと思った。
そしてセツナとナルトがサスケとサクラのいるところに戻るとちょうど来たみたいでカカシが手を振りながら言う


「やあ――――――――諸君おはよう!」
「おっそーい!!!」
とサクラはカカシに指さして大声で言う
ちなみにサスケはかなり苛立ってるみたいで顔の表情がモアイみたいになっている
セツナとナルトは今来たばっかりなので何も言わなかった

カカシはサクラの怒りとサスケの呆れた目を華麗にスルーして自分のリュックから
目覚まし時計を出して12時にセットした。その行為に皆に?が浮かぶ

「ここに鈴が3つある…これをオレから昼までに奪い取ることが課題だ。もし昼までにオレから鈴を奪えなかった奴は昼飯抜き!あの丸太に縛りつけた上に目の前でオレが弁当を食うから」

そうカカシが言い終えるとサクラとサスケからお腹の音が鳴る。カカシの言う通りに朝飯を抜いてきたのだろう、二人とも頬を赤らめて恥ずかしそうだ。

「鈴は一人1つずつでいい。2つしかないから…必然的に一人丸太行きになる…で!鈴を取れない奴は任務失敗ってことで失格だ!つまりこの中で最低でも一人は学校へ戻ってもらうことになるわけだ…」
カカシは鈴をチリンチリンと鳴らせている。サスケとサクラは息を飲む。
ナルトは少し嬉しそうに笑っている、任務が楽しみでしょうがないようだ。私は…無表情。

「手裏剣も使っていいぞ。オレを殺すつもりで来ないと取れないからな」
カカシは、けろりと「バナナはおやつに入りません」というような感覚で言った。

「でも!!危ないわよ先生!!」
サクラは慌てて言う

おいおい、上忍なめたらいかんよ…。

「カカシ先生、じゃあ忍術や体術も使っていいってことですよね?」
私は質問する

「あぁ、いいぞ。殺すつもりで来いよ」
カカシ先生はにこっと笑って言う

「その言葉に…訂正はありませんね?」
私もにっこり笑って言った

「ちょ…ちょっと!!セツナ何言ってるのよっ!?先生危ないじゃない!?」
サクラは私に向かって言う。
「サクラ…貴方には上忍が偉大なものであることを全くしらないようだね…私達下忍の手裏剣なんて先生は何とも思わないはずだよ。だから大丈夫」
私はにっこりと笑顔で言った。まだサクラは何か言おうとしたがカカシがそれを遮る。
「ま、悪いがその通りだ。じゃ…用意スタート!!!」
カカシが言った合図とともに私とナルトはこの場所にあらかじめつけていたマーキングの所に飛雷神の術で飛んで、サクラとサスケは隠れた


偶然にも私とナルトは同じ所にとんだ


「姉ちゃん!鈴一緒に取りに行こうってばよ!」
「ん、もちろんだよ。多分無駄だと思うけどサスケとサクラも誘ってみよっか?」
「分かったってばよ」
早速私とナルトはサスケの気配を感知して、その場所に行く


「やっほー、サスケー」
私は棒読みチックにサスケに話しかける。普通に話しかけてるつもりなんだよ、私は…

「ナルトとセツナか…。オレに何か用か?」
「鈴一緒に取りに行かない?」
すると、まぁ今のサスケには予想通りの答えが返って来た
「断る、オレは一人で取る」
「そ、じゃ頑張ってねー」
と私はまた棒読みチックに言った。うん、だからわざとじゃないのだよ←そしてナルトと一緒にサクラの所に行った

「やっほー、サクラー」
サスケと同じく私はサクラに話しかける
「うわ!?ってセツナとナルトか…。あたしになんか用?」
「鈴一緒に取りに行かない?」
私はサスケと同じく一語一句間違えずに聞く。するとまぁ、予想通りの答えが返って来た
「嫌よ、あたしはサスケ君と一緒に合格するんだから!(この2人と一緒とか絶対嫌!」
「予想通りだってばよ…。じゃあ姉ちゃん行くってばよ」
ナルトはカカシの方を見る

「そうだね、誘うだけ誘ってみたし…。じゃあ昨日の作戦通りぶっつけ行くよ」
そう言うと、ナルトは頷いてた。そして私達はカカシ先生の所にまた走って行った











SIDEカカシ


よし、サクラとサスケは隠れてるな……。セツナとナルトはサスケとサクラの所に行ってたみたいだがこっちに来る…。もしかしたらこの任務の意味を知ったのかもしれないな。

オレがそう思うと後ろからクナイの投げられてくる音が聞こえた。思わずオレは振り返った。すると、クナイが10本ほどオレにめがけて投げられている。特に驚いたのはクナイに風のチャクラがまとっていたことだ。こいつら、性質変化までできるのか…!アカデミーの資料じゃそこまで書いてなかったが…。

オレは投げられてきた10本のクナイを避ける。すると後ろから気配が感じた。ナルトか…。どうやらクナイで気をそらして後ろからオレを蹴り飛ばすみたいだったが…。甘いな。

オレはナルトの足を手で受け止める、すると今度は腹にめがけて殴ろうとする

無論それも阻止する。…が速さと勢いが下忍とは思えないな…
もろに食らったら痛いな…。そう思ってると両手がふさがったオレのまた後ろからセツナが何か術を発動していた。

な…、アレは螺旋丸!?どうしてこいつらが…!
思わずナルトの足と手を放してオレは避けた。するとセツナの螺旋丸は先ほどまでオレがいた地面に直撃した。…螺旋丸は完成している…しかも高密度なチャクラで威力は抜群。本当に殺しに来てるな。まぁそれはオレが言ったからいいとして…どうやって螺旋丸を習得したんだ………?自来也さんが?しかしそれは考えにくい。オレが螺旋丸に気がそれていたのが、ナルトに分かったのかナルトはまた殴りかかってくる

!、しまった!
オレは急いで振り返り殴りかかってきた所を手でカバーする。

「く…!」
下忍とは思えない威力だ…!ふふ、思わず笑ってしまうな。ナルトに先生の顔が重なって見えた
アカデミーの資料では二人とも評価は高かった。セツナは特にそうだった。
頭脳も体術も忍術も…すべて評価は一番上のS。髪の毛はクシナさん似だが顔は先生に似ている。そして先生の血がつながっていると思わず嬉しかった。ナルトは頭脳以外はすべてS。セツナとは逆の髪の毛が先生で顔がクシナさんに似ている。
しかし戦闘の時は先生の面影が重なってよく見える。正直セツナたちが来る前から続きの気になる本…”イチャイチャバイオレンス”を見たかったんだが…多分見たらセツナの怒りを買うことになり、ナルトも怒って今以上に苦しくなる…というか本を読む隙を与えてくれそうにないな…。

ナルトがオレを殴りかかってオレがカバーし終わるとナルトの所にセツナが移動した


「カカシ先生ー、本読もうとしてましたよね?私がクナイ投げる前にポーチに手が行ってましたよー」
セツナは見透かしていたのかオレに言った

ふ、その通りだな…

「あぁ、そのつもりだったが…。あいにく読む暇がない…というよりお前らが作ってくれないな」
とオレは答える

「先生を殺す気で来いって言ってたしな…。」
ナルトはオレを睨みつける。

言ったが…まさかここまでやるとはな。

「本当に殺す気だな…。セツナの螺旋丸アレは高密度なチャクラで威力は抜群…あの地面から見ても明白だ、地面が割れている。最初のクナイだって風のチャクラをまとったクナイ…当たったらオレだってあっという間にあの世いきだ。ナルトにしても体術は下忍の動きとはとても思えないスピード、威力、命中率、急所の適格な場所。」

オレは思ったことをほとんど口にした。螺旋丸は一体どうやって習得したのか気になるがな…。螺旋丸は先生の作った忍術であの天才な先生でも完成させるのに丸3年もかかり、会得難易度は上から二つ目のA…子供のこいつらがすぐできるとは考えにくいが…。もしかしてアカデミー時代から練習していたのか?

「…とおしゃべりはこのくらいにして、本気で行かせてもらいますよカカシ先生だってもうウォーミングアップは済んだでしょ?」
とセツナはにこっと笑う。

アレで下忍にしてはウォーミングアップとは言えないが…まぁ、ちょうどいい感じになった。

「あぁ、本気で来い。」
オレは言った













SIDEサスケ

オレはカカシの合図がした瞬間真っ先に隠れた。そしてオレが隠れた所でセツナとナルトが来た。一緒に鈴を取りに行かないかと聞かれたが、断った。
オレは誰の手も借りずに鈴を手に入れて見せる!そして任務に合格して忍者となり、アイツを…イタチを殺すためにオレはもっと強くなる!

そう思っていたが…

そろそろカカシにトラップをしかけようとしたとき、カカシに向かってクナイが10本投げられていた。しかもチャクラがまとっている。一体どうやったんだ!?アカデミーでは習ってなかったぞ!?

とオレが驚いているとカカシがクナイに気を取られている隙にナルトが後ろから
カカシに蹴りを入れる。うそだろ…。アカデミーの時のあいつらとは動きが全然違う!オレ以上のスピードに威力と急所への命中率…クソッ!一体どうなってんだ!

って、見てるだけじゃなくてオレも鈴取りに行かないと!あいつらがとれば残りは1つだ!オレは立ち上がり、戦闘に入る決意をしてカカシのいるところへと走って行った






SIDEサクラ

う、嘘でしょ!?あたしは思わずセツナたちの戦いに目が入ってしまった
ナルトが後ろからカカシ先生を蹴ってカカシ先生はそれを手でナルトの足を掴んで阻止した。すると今度はナルトは殴ろうとするけどこれまた阻止される。
ナルトもすごいけど…カカシ先生はホントすごいわ…。
っていうか、セツナ何もしてないじゃない!最初のクナイ投げてただけだし!
とあたしが思ってると両手が封じられたカカシ先生に向かってセツナが何…あの術…右手に丸い水色の玉…けどアレ結構やばいんじゃない!?高密度なチャクラが練られているし…ホントにカカシ先生殺す気じゃない!

カカシ先生はしまったと言う顔でナルトの手と足を放してセツナの術を避ける
って、地面が割れている…。もろに食らってたら確実にお花畑が見えるってーの!
するとナルトがこれを待ってたとばかりにカカシ先生のお腹に向かって殴る
カカシ先生は苦しそうな顔で何とかガードした。

って、解説してる場合じゃないわよっ!どうしよう…絶対あの二人なら鈴を取る…
そしたら鈴は残り1つ。って、サスケ君と一緒に合格できないじゃないっ!そんなの嫌ぁ〜!先も一緒に鈴取りに行かない?って誘われたけど、あの二人と一緒とか絶対ッ嫌!ど、どうしよう…。

まず一人じゃあたしには勝ち目は絶対ない!誘ってくれた二人はもう戦闘開始してるしぃ…
そうだ!サスケ君を探そう!サスケ君を探してそれからどうするか考えればいいのよ!

「よし!愛の力はすごいのよ、しゃーんなろ!」
とあたしは勘でサスケ君を探して行った







SIDEセツナ

うーん、売り言葉に買い言葉…ついつい挑発してしまったよ…。
でもなんか戦闘ムードになってるけどこれ鈴取ればいいだけだよね?
瞬身の術で一回取ってみようかな?いや、しかし…。

でも、勝算ある!いや、先ナルトが作ってくれた!

「ナルト行くよ!」
と私が言うとナルトは元気よく「おう!」と返事した


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