うちの父上がごめんなさい  [ 21/25 ]


「あ、もっと具体的に言ったほうがいい?星那の三つ子の兄の竜の旦那と三つ子の弟の真田の旦那、星那の幼馴染みの前田の風来坊、あとは星那ちゃんね」
『な、なんで?』
「だってそうでもしなきゃ星那ちゃんおやすみするでしょ?」
『そんなこと!』
「嘘をつくでないわ」

ごめんなさい

「それにさ正直な話、星那ちゃんを安心して任せられるのは旦那方だけだ」

そう言って先生たちを見る佐助は、私と出会った時と同じ目をしていた。

「わかった。けど片倉だけ混合グループというのは流石に認められないからな・・・全グループ混合にしよう。直獅、二人一組で残りのグループを決めてくれ」
「でも、いいのか?勝手にそんなことをして・・・」
「大丈夫だ。俺から姉さんに言っておく」
「バンガローの部屋割りは?片倉は問題ないとして、夜久はどうするんだ?」
「婆娑羅学園の生徒と組めばいいよ。安全なのは・・・」
「第五天といつき・・・」
『鶴ちゃんと孫市姉さんもじゃない?』
「五人グループになっちゃうけど、あいつらは星那の友達だから安心していいよ」
「夜久という女が星那を悪く言わない限り・・・だがな」
「・・・毛利の旦那〜もうちょっと空気読もうぜ〜」
「我は当然のことを言うたまでぞ」

♪〜♪〜

誰かの携帯が鳴ってる。

「失礼・・・」

琥太郎先生だったらしい。

「もしもし・・・なんだ、姉さんか・・・ちょうどよかった。姉さんに話が・・・は?ヤクザ?」

ヤクザ・・・?

『ねぇ、ちっちゃい先生・・・琥太郎先生のお姉さんって理事長さんなんだよね?』
「・・・あ、あぁ」
『・・・佐助』
「・・・猿飛、貴様自分の旦那の管理も出来ていないのか」
「うるさいなぁ!俺様だって真田の旦那の世話で忙しいの!それに竜の旦那もいるし平気だと思ってたんだよ・・・」

頭を抱えてしまった佐助が哀れ。

「・・・姉さんに呼ばれたから行ってくる。保健室、出るときは鍵かけていけよ」
『はーい』
「猿飛・・・何をしてる。貴様もついていくのだろう?」
「・・・俺様行きたくない」
『佐助・・・幸村に言いつけるよ』
「やっぱり一緒に行くよ」
「別に一人でも平気だぞ?」
「理事長さんのところに行くでしょ?これでも俺様星那の母親だしさ」
『・・・本当は?』
「多分そのヤクザ俺様の旦那さんです!ごめんなさい!」

親バカ全開の父上ほど怖いものなんてないと思うんだ。

  









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