勝負  [ 17/25 ]


お昼休み、宮地くんが保健室を訪ねてきた。なんでも、あのあとケーキを買ったので一緒にどうかとのこと。

『・・・保健室でもいいなら』
「もちろん構わない。星月先生も・・・そちらの方もどうですか?」
「俺もいいのか?悪いな」
「私は別に「かすがー、星那の分半分貰ってあげてよ。甘味ばっかり食べてるから星那太っちゃう」佐助・・・」
『あ!おかーさん!!お弁当ちょうだい!』
「わかってるから・・・そんなに急かさないの。ていうか、星那におかーさんって呼ばれると変な感じ・・・」
『あぁ、佐助はオカンだっけ?』
「星那・・・今日のお弁当いらないの?」
『・・・嘘です。佐助さん、ごめんなさい。お弁当ください』
「はい、どーぞ。あ、ねぇねぇ!ケーキ俺様も食べたい!」
「あ、どうぞ。皆で食べましょう」
「星那の分は少なめにしてあげてね?デブっちゃうから」
『ちょ、佐助失礼!』
「だってさっきかすがともシュークリーム食べてたじゃん」
『う・・・』

見られてた・・・だと?
いやまぁ、確かに食べてたけどさ、かすがちゃんと半分ずつだし!!
それだけじゃ太らないよ!・・・多分。

『さ、佐助こそ幸村さしおいて甘味食べていいわけ?』
「俺様と星那が黙ってたらバレないよ」
『それはどうかなー?幸村、甘味に対しては鼻が利くからね〜。匂いでバレちゃうかもよ?』
「う・・・」

フン、勝った。我にかかれば容易い・・・

「お土産買っていけば大丈夫だよ」

なッ・・・!?負けてるだと?
クソぅ、佐助め・・・一体どうすれば佐助に勝てるのか。
このようなやり取りはわりと頻繁に行われている。そしていつも負けてるのは他でもない私だ。私にとって佐助は最も頼りになる味方であり、最も負けたくない敵なのだ。・・・いつも負けてるが。

『・・・いつか絶対負かしてやるんだから』
「うん、星那その台詞毎回言ってるよね」
『だって毎回負けるんだもん』

こうして賑やかなお昼休みは終わった。

  









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