if  [ 16/25 ]


生まれて初めてかすがちゃん以外の女の子にメールアドレスを渡せた私は偉いと思う。
これで私を責めてくる人がいたら、アンタは何様だ?って感じだ。
うん、頑張った。昨日は春巻きだったから今日は餃子にしてもらおう。
余談だが私の大好物は中華料理だ。

けど今の気分は正直あまりよろしくない。保健室についたら1時間程休ませてもらおう。

『おはよー』
「あぁ、おはよう。今日は何の勉強だ?」
『んー?英語。けど先に1時間くらい休ませて。あとかゆみ止めの薬ちょうだい』
「・・・気分悪いのか?」
『朝、夜久さんに会ってきたら蕁麻疹出ちゃってさ・・・昨日の謝罪とアドレスだけ渡してきたんだ』
「片倉・・・努力は大事だがあまり無理はするなよ?ベッドは空いてるから、気分が良くなるまで休んでなさい」
『はーい・・・あ、かすがちゃん、これ冷蔵庫によろしく』

今朝買ったシュークリームをかすがちゃんに任せ、私は大人しくベッドに向かった。

『・・・・』

最近思うことがある。転生した私の隣に彼らがいなかったら、私はどうなっていたのだろうか?
あるいは・・・この先彼らと生きていく未来に、家族が・・・いや、お母さんや妹であればまだいい。おそらく生まれ変わってまで相手にしてくることはないだろう。問題はお父さんだ。あの人と出会ってしまった日には、今のように皆と笑いあうことはできなくなるだろう。
きっと死ぬまでお父さんの愛情を受け入れるしかないのだろう。
そんなことになるくらいなら光秀さんと結婚したほうがマシだ。
彼も怖いけど、私に暴力は絶対しないし、私が本当に嫌がることはしない。
・・・今度からもっと光秀さんに優しくしよう。

「星那?どうしたんだ?眉間に皺が寄っているが・・・」
『ん?考え事。もしもに備えることも必要でしょ?』
「まぁ・・・不要ではないと思うが」
『うん。だからね、もし現世でお父さんに会ったらどうやって生き延びようかな?って』
「・・・24時間365日佐助と一緒な生活が待ち受けているんじゃないか?佐助じゃなくとも、風魔にしろ私にしろ忍が一人つくだろうな」
『・・・そっか。ずっと一緒なんだもんね』
「あぁ。特に風魔の主は今もなお星那だと認識していた。あいつが命懸けでお前を守るだろう。もっとも・・・今の星那の保護者は右目だ。あいつが許さない限り星那が奴の養子になることはないし、誘拐されたにしても今は警察がいる・・・そんなに心配するな」

・・・どうしてだろう。かすがちゃんが凄く逞しい!!
かすがちゃんの言う通り、昔出来なかったことでも今はできるかもしれない。

とりあえず父様の同業者の方にも守っていただこう。


  









人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -